2021年06月12日

【感想】ハッピーライヴショウアップ!

 本日は5月の新作、フェイバリットのハッピーライヴショウアップ!の感想になります。
 私の御贔屓メーカーゆえ買わない選択肢はないけど、ライターさんは完全に所見の人でさてどうかな?という所で、内容を見ていきましょうか。


★超私的採点・一言コメント

・シナリオ(24/30)
  実にらしい丁寧なつくり、ただワンパンチ足りないか

・キャラ(20/20)
  欠点も多いがそれが弱味にはなってない、実に可愛い

・CG(19/20)
  非常に美麗、質量ともに流石の仕上がり

・BGM(19/20)
  こちらも安定のクオリティ、質量ともに満足度高い

・システム(9/10)
  エンジン替わって使いやすい、演出も安定のハイクオリティ

・総合(91/100)
  信者贔屓はあるけど、完成度は高く純粋に面白い

★テキスト・ルート構成

 テキストはアドベンチャーゲームの基本をなぞって、簡素でありつつしっかり緩急もつけている感じ。
 基本的にスラスラと読みやすいし、説明的な部分も上手く流れの中に自然に組み込めていて、奇想天外な部分は少ないけどほのぼの安心して読めるかな、と思います。

 ルート構成はある程度の好感度蓄積からの脱落式に近いのかな?
 結構選択肢の出てくるタイミングにゲーム性はあって、そういう作り込みの丁寧さも流石のイメージ。

 ただこれソフィーはルートロックあるのかしら?一番最後にやったからわからないけど、最初の舞台の選択肢が決定打になる以上、多分ロックはない気がする。
 そしてこれもおそらく、ソフィールートをクリアすると隠しヒロインのミヤビルートに行けるようになるのだと思われます。

★シナリオ

・王道のボーイミーツガール
 シナリオとしては特に奇抜さや驚きの発想、という部分はなく、王道のボーイミーツガールからの、それぞれが抱える諸々をチームとしてショウに挑む中で解決していく、という構造ですね。
 正直最初のソフィーの出会いやそこからの流れ、そしてルーの立ち位置など、かなり恣意的に展開していく面もあるのですけど、それが不自然とは思わせないキャラの個性づくりとのフィッティングがいいなぁ、と感じます。

 ひとつの目的に向かって一丸となりつつ、それでもそれぞれに少しずつ見ているものは違っていて。
 それが時に軋轢になったり、頓挫を呼び込んだり、そういう細やかなトラブルや壁は随所に用意されていますし、それをしっかり丁寧にひとつずつ乗り越えていく、その過程で各キャラのバックボーンもしっかり掘り下げていく、というあたりは、いかにもフェイバリットのタイトルらしい、と思わせるところがすごくありました。

 まぁ流石にこれまでの大作レベルに比べると、シナリオの質量や肉付け、説得性の部分でかなり簡素に最低限、という色合いではあるけど、それはフェイバリットの縦の比較であって、横の比較で考えれば必要十分な構成ではあったと思います。
 その分かなり長く共通で尺を取っていますし、少しずつ互いを理解して仲良くなっていく、そしてそれぞれの為に頑張る、という想いから壁を打ち破っていく、本当に王道そのものですけど、それがやはり非常に面白い、というのが率直なところですね。


 ただその分、ソフィー以外の個別に関してはやや画一的、かつ簡素な色合いも否めないのかなと。
 勿論しっかり共通で掘り下げはされているので、選択肢の流れの中で何が最後の一押しになったかとか、それによって発生する展開の納得感はきちんとあるのですけど、やはり好き合っている、と意識してからのテンポはかなり速いかな、と思います。

 それも当然キャラによって、ではあり、クラリスとかルーとか、それぞれのスタンスでめんどくささを発揮していたり、逆にペチカやカーチャは思い立ったが女は度胸、みたいな流れだったり、確かに不自然ではないけれどもう少しは溜めがあってもいいのよ?という感じ。
 その上でしっかりそれぞれの問題に向き合って、まずは目の前の舞台に入魂しつつも、その先の未来図を掴み取っていく過程も綺麗にまとまっていますが、イチャラブやエロスはやや弱めなので(まあエロ少な目はここに文句言う筋合いではないけれど)、そこをどう考えるか、ですかね。

 個人的に一人だけ独自路線を突き抜けるカーチャルートはかなり好きだったし、ペチカとアイナのあれこれも面白く。
 クラリスやルーのめんどくさかわいさも堪能はできたけど、それでもやっぱりメインのソフィーの説得力と正妻感には及ばないのかな、という感覚ではありますね。

 やはりソフィーの場合は、これも恣意的な設定とは言え、魔法による繋がりで互いの理解度・解像度がだいぶ違う、というのが出てきますし、逆にわかり過ぎているからこそ踏み込めない、というラインが凄くらしいつくりではあるな、と思いました。
 でもだからこそ、勇気をもって前を見据えないといけないし、そしてソフィーと共に在る場合は、どこまでも魔法は付き纏ってくる、という構図から、自身の壁を克服すべきはヒロインだけでなく、主人公も真正面から向き合わないといけない、という位置づけがわかりやすいです。

 その意味でミヤビの使い方は恣意的と言えばそうなんだけど、あの共鳴があればこその興味や想い、というプラスアルファの波及もあるのだろうし、理解はできる構図。
 全ルートある程度画一的に、列車の中で愛を育んで、そして最後のステージで結実、というのはあるけれど、その結果としてやはり魔法に対するアプローチが深いソフィールートだけきちんと優勝するんだな、ってのも面白いかなと思います。

 しかもそれで終わりかと思いきや、まさかのその後ルートで、更に二人の関係性のしこりを取り除いていく流れを紡ぐのは、実にフェイバリットらしい奥行きではありました。
 ミヤビのキャラがやたら面白いのもあって、これはこれで非常に面白い話になっていますし、あれだけの一体感を持ってひとつのステージに立った仲間でも、やがてそれぞれの目的の為に別れなくてはならない、そういうもの悲しさを一番真っ向から受け止めている、という部分でも、このタイトルの集大成的な位置づけにはなっていますね。

 それぞれの距離感と、友を、愛する人を大切にする形の示し方。
 そういう部分での差異性が明確になっていく中でも、きっちり誰かの力になり、繋がりは淡くとも確かな何かを持って維持されていく、そういうメッセージ性がとても綺麗なイメージでした。

 このタイトルのキャラはそれぞれにどこか欠けている面はあるけれど、ソフィーと主人公はよりそれが大きく、また本質的にはそれがピタッと噛み合って支え合うためのハードルは高い、という設定になっていて。
 他ルートの場合は主人公が自分の魔法への未練をある程度割り切った形に持っていければそれで噛み合ったけど、ソフィーの場合はそうはいかない、というのをとても丹念に展開の中で提示し、全てのキャラを上手く使って解決に持っていったのはいい構成力だったな、と感じますね。

 そういう流れだけに、おまけとはいえミヤビルートも、もう少し魔法の根幹とか、ソフィーとの人生とは違った向き合い方を見せてくれるのかな、と期待はしたのですが。
 残念ながらここはCG枚数が示す通りにおまけ以外の何物でもなく、これから訪れる未来の壁に対して、それでも二人で手を繋いで向き合っていくという覚悟を示した、のかな?くらいの匙加減で終わってしまっているので、それはちょっと消化不良ですね。

 勿論ソフィーの後でないと、ミヤビの想いや立ち位置の奥行きが示せない、というのはわかりますけど、ソフィールートの完成度が高いだけに、期待値上げておいてあれっ!?ってなってしまうのは致し方ないかなぁとは。
 まぁミヤビすごく可愛いしこれはこれで、なんですけどね。。。


 全体として、すごくポリューミー、とは言えないけど、必要十分なバックボーンの肉付けと、世界像の作り込みは出来ていると思います。
 その上での個々のキャラの個性の位置づけ、それを踏まえてのシナリオでの動かし方など、凄く緻密に丁寧に作られているのはわかりますし、確かにきちんとフェィバリットらしさを意識したシナリオになっていたとは感じますね。

 ただやっぱりその「らしさ」って、くどいくらいの繰り返しとボリュームでより凶悪に説得性とパンチ力を増していく、という点はあるので。
 そういう視座で言えば、やっぱりこのラインだと一発KO出来る程のインパクトは生みにくいな、って思いますし、名作、というラインに乗せるのは躊躇われる、という感覚です。

★キャラ・CG

 キャラは基本可愛い、としか言いようはないですね。
 それぞれに癖があってめんどくさいのも確かなのだけど、きっちりそれがマイナスではなく、それぞれのらしさ、愛嬌的なイメージで抑え込まれていて、そのムズムズするもどかしさから解き放たれた時の爆発力が素晴らしい、というのはあります。

 まぁ強いて言うとその幅が狭めなのはカーチャだけど、実はこの子がかなりお気に入りではあり、ヒロインとしても、他ルートの時のはっちゃけお嬢としてもかなり可愛い。
 ルーのちょっとズレた天真爛漫さや、クラリスの真面目可愛さもいい感じだし、ペチカはそこまでタイプではなかったけど、まぁこれはこれで。

 そしてやはりソフィーがメインヒロインらしい、色々複雑怪奇な心境を持ちつつも、基本ひたむきで一途で頑張り屋で可愛いなぁと。
 敢えて言うならボインちゃんなのが惜しい。まぁそれがこの子のコンプレックスのひとつでもあるから、大事なファクターなのはわかりますけどね。
 あとミヤビはもっと出番欲しかった。カタコトモードが面白すぎた。。。


 CGは通常絵が120枚、小物が23枚、SDが17枚だからまぁ豪華ですよね。
 シナリオのボリュームに対して言えば相当頻繁にCG使って豪奢に飾ってくれていますし、どれも実にらしい塗りでとても淡く綺麗で素晴らしいなと。
 一枚絵そのものの出来もかなり高いレベルで安定しているし、SDもめっっっちゃ可愛いし、背景も綺麗。立ち絵もそれなりに揃っているし、ほぼ文句はないです。

★BGM・システム

 BGMもボーカルが4曲、BGMはアレンジがかなり多いけど、完全なオリジナルだけでも40曲以上あるし、やっぱり素晴らしい量と完成度の高さを誇ってますね。
 個人的にいつもよりボーカルが明確に刺さらなかったのはあるけど、それでもかなりの良曲揃いで、『世界はふたりのために』が一番好きかな。

 システムも新エンジンで色々勝手が違う面はあるけれど、基本的には前のものよりはサクサク操作できるし、綺麗だし必要なコンフィグは搭載されているので特段文句はないかな。
 演出も流石の情感の引き出し方で全体的に豪華絢爛だったし、ムービーも華やかな出来で素晴らしいと思います。

★総括

 総プレイ時間22時間くらい。
 共通が8時間くらい、個別はソフィー以外が2.5時間ほど、ソフィーが後半戦含めて5時間くらいで、ミヤビが1時間くらいでしょうか。

 これでもフェイバリットのタイトルとしてはかなり量的に少ない方ではあるけれど、時代性も踏まえて言うなら、らしさを残しつつサクサク楽しめる、というラインを狙っているのかな、というのは感じられるつくりですね。
 それがセールス的な部分でどこまで影響あるのかとかその点は何とも言えないですけど、一番大切な部分は決して蔑ろにせず、それでも時代に合わせて変化して生き残りを、という意識は明快なので、信者としては支持しないとなりますまい、ってところです。

 基本的な完成度の高さは文句なしなので、気になるヒロインがいるならプレイして損はない作品だと思いますよ。


posted by クローバー at 08:53| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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