2020年09月17日

<感想>かけぬけ★青春スパーキング!

 昨日告知したように、今回から少し感想も執筆形式の変更にチャレンジ。

 まず、今まで頑なに使ってこなかった折り畳み機能を使用。
 基本的に冒頭の挨拶文以外はネタバレ上等で。だって白抜き、書く方も読む方も面倒だったし(今更過ぎ)。

 本文も目次機能を使って、今までより読みたい箇所だけ拾いやすくするつもり。
 改行も今までよりは意識的に増やして、フォントも変更したので、全体的に読みやすくなればいいな、と。

 かけぬけに関しては、サガプラの新作だし、ほんたにちゃん信者の私が買わない道理はない、と。
 ただ体験版が結構微妙だったので、その懸念を本編で払拭出来たのか?というのが本感想の主軸になりそう。

 ではこの先はネタバレ気にせずになるので、未プレイの人は閲覧注意、自己責任で宜しくです。


続きを読む、以下ネタバレあります
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2020年09月10日

創の軌跡

 待望の軌跡シリーズ最新作ですし、今回はこれまでのゼムリア大陸東部編の総決算FDみたいな趣もあったので、その意味でも楽しみだったし、勿論この先の軌跡への足掛かり、という面でも超楽しみにしてました。


シナリオ(18/20)

★概要

 今回の創の軌跡は、リィン、ロイド、そしてCという三人の主人公制を採用した、クロスオーバーシステムで構築されています。
 時間軸的にはほぼほぼ同じタイミングで、けれどそれぞれが別の場所で違う活動をしていく中で、それぞれのルートで見えてきた謎の欠片が、やがて糾合される事で一つの答えに繋がっていく、という、この構成としては王道的なつくりですね。
 大枠の時間としては黄昏の約半年後を舞台に、クロスベル解放にまつわる諸々を主軸とした、新たな時代の始まりを告げる物語、と言えるでしょう。


★シナリオ(大筋・ネタバレなし)

 今作は、次からの軌跡シリーズ後半戦に向けての繋ぎ、橋渡しのタイトル、というイメージでしたが、終わってみるとその側面は確かにあったものの、本当に細かくエッセンスや伏線はばら撒いてある、というだけで、大枠の方向性も、閃Wラストで垣間見たものにプラスアルファされた程度、という印象ではありました。
 その分クロスベル解放を軸とした、既存キャラが総出動で織り成す群像劇はかなり力が入っていて、それでも流石にリィンとロイドだけでは焼き直し、という色合いが強いところに、Cとラピスという新たな存在を投下する事で、程よく新鮮味を塗してきたタイトル、と言えそうです。

 ゲーム内の時間軸としては、かなり短いスパンでの物語であり、その中に猛然とあらゆるエッセンスを詰め込んでいるので、密度は非常に高い一方、流石に三つのストーリーを並行させて、というつくりの中で、展開の繋ぎに無茶や不自然さが出てしまう部分もなくはなかったと思います。
 特にロイドルートは改めて非常に重苦しい展開が続きますし、Cルートが思いの外軽妙な分でバランスが取れているのかもですけれど、既存ファンにとっては賛否の出るつくりではあったかもしれません。
 また当然ながら、空以降の全てのタイトルからの流れが網羅されているので、いくらあらすじモード搭載しているとしても、この作品からスタートではなんのこっちゃ?な部分が余りに多過ぎる、という面でも、シリーズファンの為のFD感は色濃い、と言えるでしょう。

 まあ正直、FD的位置づけでもあるなら、もう少しシナリオは軽いテンションでも良かった気はしなくはないです。
 勿論今回の裏側にある謎や、その存在に関しては、今後の伏線に繋がっていく部分もあるのでしょうが、ただ厳密に言って、閃Wラストで示された大陸そのものの危機とどこまでリンクしているのか?はわかりにくいところです。
 どちらかと言うと、今後の危機を乗り越えていくための特殊装置としての真・夢幻回廊の存在を固着化させる方が目的だったのかな?という色合いもあり、このシナリオ展開はその副産物だった可能性もありますね。

 同時に、この仕組みがあくまでも黄昏、という超大な霊脈干渉によって紡がれた特異的発生で、再現性の低いものである事も含めて、あくまでも三人の主人公を改めて輝かせるための恣意的なもの、というイメージにはなりました。そこに必然性はあったのか?という部分は、おそらく今後のシリーズにおいて、この作品で示唆されたものがどこまで影響を与えていくかによって定義されるでしょうね。
 まあそれでもシンプルに、シリーズファンには血沸き肉躍る物語を提示しつつ、閃シリーズで積み残した課題や不満の一端でも、Cという主人公の存在と、Cが最後に辿り着いた地平で解消させている、というのは評価していいんじゃないかな、と思っています。

 以下は各ルート別にネタバレありでサラッと思いつくままの感想を連ねつつ、最後に全体としてのネタバレ総括も触れておきましょう。


★シナリオ(ネタバレ)

・リィンルート

 リィンという存在がどれだけ世界の因果に影響を及ぼしていたか、というのを再定義するルートですね。

 序盤でリィン自体も、今の自分の置き所に迷う描写が見受けられますが、実際にそれだけ多くの宿業が混ざり合って、今なお影響は色濃く息づいている状況下で、それを無視してのほほんと教官生活を堪能もしてられない、というのはまぁ、わかります。
 そういう迷いを改めて危機に立ち向かう中で払拭していくのと同時に、因果そのものはどこまでも決して断ち切れないほどに重いものだ、という認識は、この作品全体のボスであるイシュメルガ=リィンの在り方にも規定されていますね。

 基本的な流れとしては、オリヴァルト夫妻誘拐事件を追っていく中で、帝都のクーデターを阻止し、皇子を担いでのクロスベル統一国の一翼を担う陰謀を粉砕していくわけですが、実働的な部分においてはともかく、諜報的な要素ではかなり後れを取っていて、ある意味でCことルーファスに上手く誘導されている面も強いです。
 裏を返すと、つい先日まで監禁されていたはずのルーファスが、どうしてそこまで的確に状況を把握しているのか?ってのはあるのですけど、そこはやはり元々あちら側に立っていた事もあり、彼のルートでのなりすましあたりから見ても、蛇の道は蛇的な情報収集が可能だったと見るしかないですね。

 ただ少なくとも、ノルドの事件の解決までは外側の問題、と見えていたのが、第八の機神登場と、その共鳴減少に至ってリィン自身の、そしてZ組の当事者問題として繋がっていくのは、強引ではあるけれど面白い要素でした。
 エリュシオンが因果を紐解く鍵として、もっとも多層的にそこに関わっていたリィンを重要視するのはわかりますし、その中で仮定的未来や過去の中からもその存在意義を見出すというのは、まぁリィンの物語に長々と付き合ってきたシリーズファンなら頷ける面はあるのでしょう。
 結果的に、そこに含まれたイシュメルガの純然たる悪意の再燃と、シンギュラリティによる超テクノロジーの濫用、という自体を招いているのは皮肉な話ではありますし、現在の流れの中ではきちんと消滅させられていたものを、新たに再定義してしまった、という意味でもすげぇめんどくさい厄介な話になっています。
 まあ要するに、シンギュラリティによる行き過ぎた進歩は、容易に破滅の引き金になりかねない、というのを具象化したとも言えて、上でも触れたようにそういう世界像が今後の展開に必須なのかはまだわかりませんが、その副産物としてやっぱり悲惨な目に巻き込まれていくリィンは不憫だなぁとは思わざるを得ない所です。。。

 ともあれ、あくまでもリィンの因果、ではあって、Z組全体としてはそれを阻止するために関わらざるを得ない、というスタンスなので、どうしても頭数が多い中、存在感の温度差が出てしまうのはありますね。
 ある意味でクロスベルで巻き込まれた組の方が存在感はあったとも言えますし、特にそうでない旧Z組メンバーの影は薄いタイトルでもありましたが、それはまあ仕方ないとは言えるでしょう。その辺はもう閃で四作も連ねて、というのはありますからね。でもトータルで見てもエレボニア組は、年上剣豪組の方が総合的に目立ってた気はするなぁ。。。
 まあ個人的にはビーチでバカンスのギャルゲー的イベントがエロ可愛かったので良しとします(笑)。


・ロイドルート

 こっちはプロローグでようやく長年の悲願であるクロスベルの占領を解き放ち、再独立を可能にしたぜー!と浮き立ったところから、またどん底まで突き落とされ、分断されるという息苦しい焼き直しが厄介と言えばそうでしたねー。
 まあいかにもそれがクロスベルと特務支援課らしい、っちゃらしいのですけど、彼らの存在意義の見直しなども含めて、そもそもそれを見失う程追い詰められていたのか?という部分では、少なくとも閃での関わり、活躍を見る限りはそんなに感じなかったのですけどね。
 べき論に囚われて自縄自縛、ってのは、確かに弱体化の定番ではあるのですけど、今更特務支援課でそれをやらなくてもなぁ、ってのはあったし、痛々しさが引き立ってしまうのでちょっとそこはもう少しマイルドにして欲しかったです。

 それに、各地にメンバーが分断されてから再集結していく、というのも、シリーズのお約束過ぎて食傷なのはどうしても出てきます。
 そもそも碧の軌跡でも、拘置所からの展開で似たような事やってますし、閃シリーズもUとWはそんな感じだしで、またそれかよ!ってツッコミはシリーズファンからでも出てしまうでしょう。
 少なくとも他ルートはメンバーがある程度軸としてしっかりしていたり、それなりに多彩な人数で行動出来たり、の中で、こっちは一々章のスタートは最低人数で、そこから増えていくもののメンバー固着、というパターンばかりであり、シナリオ的な重さも、戦術的な幅の狭さも含めて、もう少しなんとかならんかったか?という面はありましたね。
 なにより、特務支援課には常にティオがいてくれないと、私のモチベーションがー!ってのはありました。。。

 そういう状況なので、どうしても他のルート以上に当座の問題に対処していく色合いが強くなりますし、再会イベントなどで燃える&萌える面はあるにせよ、純粋な面白さという意味では3ルートの中で一番下だったかなー、とは思っています。
 勿論そういうこのルートの苦難があるからこそ見えてきた未来や、ロイドという存在が楔となっていくための糧は紡げているのは確かなんですけどね。そのあたりは評価の難しいところです。
 確かにエリュシオンが抱く、全ての現実存在に対する分析と観測、そこからの再現性、という在り方を確信的に見抜くには、幻の至宝絡みでの諸々が必要だったのはわかりますし、しかし同時にそれは、至宝の力であってもエリュシオンは全て、現出したものであれば再現できるという恐ろしさも暴くものではありました。
 
 ただ、ラピスがああであるように、エリュシオンの様な機械知性が人類の味方になってくれた時に、その再現性が武器になる可能性は残した、とも言えるのですよね。
 少なくとも結社の目的には、残りの至宝の存在が大きく関わってくるのは間違いない話ですし、それはおそらく例の共和国の新大統領が進める計画にも関与してくるものなのでしょう。
 大陸の存亡にも関わる流れの中で、エリュシオンの本質を見抜き、定義し、共有しておくことが今後に繋がるとすれば、確かにそれはロイドにしか出来ない事だったかもしれず、そしてそれを気付くのに、視野狭窄になりかかっていたロイドでは役者不足だった、という所からの今回のシナリオだったとは言えますね。


・ルーファスルート

 シナリオ性、という意味では、今回の主人公がルーファスだった事は間違いないでしょうね。
 閃であれだけ利己的にあれこれやらかして株を落としまくったわけですが、その深層に秘められていた単純な希求と羨望を、ラピスと出会い、短い間でもともに旅をし、絆を深める中で手にしていって、それが最後の最後に、純然たる利他的な行為を示す事によって、すでに手に入っていたのだと実感せしめる、それは正に遅れてきた成長期的な逆転劇ではあったと思います。
 勿論やらかしてしまった事に対する罪はあるし、これだけで全てが払拭されるとは言い切れないものの、それでも偽物ルーファスとの相対化も含めて、かなり印象は柔らかくなったかな、と思えますし、なによりルーファスをそうさせたラピスの純真無垢な可愛さがこのルートは素晴らしかったですよね。

 脇を彩るすーなーコンビの物語も良かったですし、ただその三人だけではどうしても手に出来ない真っ直ぐな何かを、ラピスという存在がかすがいになる事でしっかりと手にする事が出来た、というのは間違いないと思います。
 まあ語られた通りの経緯ならば、相変わらずルーファスやり手過ぎ、色々悪辣だなぁ、という面も色濃く、ラストシーンの自分に悪意を集中させての自己犠牲なんかも、ピカレスクヒーローの王道を走っているような感じはありました。
 そういう清濁飲み込むタイプの主人公というのは、基本軌跡シリーズでは採用されないので、その点でも確かに新たな挑戦ではあり、シリーズの方向性に新風を吹き入れた、というのはあるのでしょう。

 実際のところ、どうしてもリィンやロイドの物語に焼き直し感が強いのは、そこまでのシリーズで既存ライターさんの創造性の枯渇、という色合いも否めないので、その点でもこのルートは違う若手のライターさんが綴った、という点で、粗削りな部分はあれども、今までにない活き活きとした活写とノリがあってその点も良かったと思います。
 勿論このルートにしても色々都合の良さはありますし、あくまで搦め手から進んでいく、という中で、事件の本質に至れた貢献度、という部分では他の2ルートに劣る、という点はあります。
 でも潜在的に全てを動かしていたのがラピスであるという事も含めて、やっぱりこの作品の軸になるルートだったと思いますし、本当にラピス、という存在が、機械知性でありつつ情動的で素直で愛らしく、といって人間らしい屈折もない、という絶妙のバランスだったのが最大の勝利ではないでしょうか。

 あのエピローグの流れからして、このチームはまたいずれ出番はありそうですよね。
 そもそも庭園絡みですーなーは共和国に近寄りたくないかもだけど、その因縁を根っこから断ち切る、という意味での必要性は出てくるかもしれないし、個人的にも最低限ラピスは今後の作品で関わりがあって欲しいな、と思います。
 次回作はほぼキャラは一新される、と話されていますし、実際帝国人は当然、警察という枠に縛られる特務支援課も、おいそれと共和国の問題に首は突っ込めず、まあチラホラ関われて遊撃士組くらいのものでしょう。
 勿論問題が佳境に入って、共和国のみならずゼムリア全体の問題に、ってなった時に、主要キャラは出番があるとは思いますけど、そういう場面での楔としてのラピスの存在は今後も生きてくるのではないかな、と感じています。


・総括

 色々細かい部分での不満はあるし、それを論っていたらきりがないのですけど、総合的に見れば軌跡らしい味付けで上手くまとまっていると思いますし、考えていたよりも更に重々しかった、という面を除けば相当に楽しめたと思います。
 ただ事前のイメージだと、もう少し盟主絡みでのあれこれがあったり、世界像そのものに関わる秘密が開陳されたりするかな、と思っていたので、その辺やたらと幅広く仄めかしだけで済まされてしまっているのはもどかしいですね。
 でもインタビューとか見ても、共和国編は既にある程度並行して着手しているみたいですし、来年か再来年にはお披露目されるんじゃないかな、というイメージは持てるので楽しみです。

 ただ夢幻回廊とかの謎を、アップデートで後付け、っていうのは少し手回しとして雑かなー、とは。
 まあどうせその時点でも完全には解き明かされずに、次以降に持ち越しになるんだろうな、とは思いますけど、その辺で思うところがあればまた追記します。



ゲームシステム(19/20)

・総括

 ゲームシステムについては、基本的に閃シリーズの進化最終形、という位置づけでいいですし、細かく触れていくのは面倒なのでざっくりだけにしておきます。
 
 バトルに関してはヴァリアントレイジとゼロクラフトで、より戦略性が高まった分だけ、敵もある程度強くなって、というバランスは取れている、と言えば言えます。
 ただそもそもシリーズの流れからして、相手になにもさせずに完封する戦略がいくつも見出せるものではあり、今回の進化もその方向性を緩和させるものではなく、むしろ促進させるものではあるので、そのやり方に慣れているかどうか、という部分で難易度の捉え方は変ってしまうでしょうね。

 私は今回、シリーズ通してはじめてちゃんとノーマルでプレイしたんですけど(いつもはシナリオ見るのがメインだからイージー)、正直前半はともかく、後半になって素材が揃ってからの難易度はほぼほぼ差を感じませんでした。
 結局それは、戦略の組み方が何より攻略の秘訣である裏返しで、特に相手に一切行動させない類いの戦略は、面白みはないんですけど鉄板ではあり、それが出来てしまえば多少通るダメージの差があるくらいで、イージーだろうがナイトメアだろうがやる事に大差はない、とは言えそうです。
 私は基本ロリっ子パーティ組むので、アーツ主体で加速と絶対防御主軸の完封戦略になりますけど、今回はFD的な要素も強く、それぞれのプレイヤーがお気に入りのキャラを使って、その組み合わせの中でも多数似たような完封劇を現出できる要素がたっぷり含まれているのは間違いないです。

 だから実際、戦闘で一番苦労したのって実はプロローグと、あとラストの機神戦ですね。次いでエピソード限定戦。
 まあ最初は、それまで閃のリプレイしててオラオラプレイしかしてなかったから、久々にまともに防御戦術組むのに慣れてなかったのはありますけども。
 機神戦は、閃と違ってオーブがない、アシストキャラも選べない、アイテムも数限定になっちゃうので、シンプルにレベルとキャラ依存で、そこまでが簡単すぎるが故の相対的な難しさはあり、もう少しそこは自由度は欲しかった、せめてアシストくらいは選ばせて欲しかったかなと思います。
 そして地味に面倒なのが青石でのイベントバトル。美味しいクォーツとか手に入るしやらない手はないんだけど、それでもレベルとクォーツ、メンバーがほぼ固定する中では、きちんと丁寧に戦略を練らないと普通に負けるので大変でした。

 逆に言えば、普通の戦闘では色々やれ過ぎるのが逆に欠点と言ってもいいくらいではあります。
 どう考えても単純な力押しでは勝てないのもまた必定、というラインの中で、どうしてもそういうシリーズのシステムの流れを汲んでの工夫がどこまで出来るか、気付けるか、という部分で、難易度の感じ方がガラッと変わってしまいそうなのはあり、その辺りはこの完成されたシステムが内包する限界であるとも言えますね。
 それゆえか、共和国編からはATバトルではなく、全く新しいバトル要素になるらしい、というのも、確かにここまで行き着いてしまうと仕方ないのかな、とは思います。
 個人的に多少なりアクション要素が入ってくるのは厄介ではあるのですけど、まぁそれでもやらない選択肢はない以上慣れていくしかないんですけどね。オラオラプレイ大好きな私としては、ずっとこのシステムでも全然文句なかったんですけどねえ……。

 また今回は、遊びの要素を全て夢幻回廊に集約したわかりやすさも良かったかなと思います。
 普通にまじかるアリサが難しいとか(アップデートで改善されたようですが)、ぽむっとの対戦相手多過ぎぃ!なんてのはありますけど、その辺りがシンプルにまとめられているのはやりやすかったです。
 夢幻回廊の楔とか試練とかも、やや面倒ではありましたけどこれはこれで面白かったですしね。
 ノートや料理収集なども、過去作よりは簡易な感じでしたし、宝箱も意地の悪すぎる配置は少なかったと思います。一応一周で全て取れましたし、料理と書物、人物もパーフェクトには出来たので私としては良しとしてます。

 あと、最初からハイスピードモード搭載なのは良かったですね。
 勿論未見のイベントや新規マップなどで使うものではないですけど、レベル上げとかカードとか、そういう時の時短にはかなり有効でしたし、これがある分周回プレイのハードルもかなり下がっているのではないでしょうか。
 クォーツの自動セットなども、痒いところに手が届かないきらいはあるとはいえ、面倒くさがりな人にはかなり便利だったと思いますし、特にこれだけメンバーが増えると、付け替えの手間を少しでも省ける仕組みになっているのは良かったですね。


キャラ(20/20)

・総括

 既存キャラはどうしても人数が多い中で、存在感が薄まってしまうところはあったものの、それぞれの魅力はしっかり継承して発揮出来ていたと思います。
 その上で今回は、とにかくラピスがめっちゃ可愛かったのが良かったですねー。なーちゃんも可愛かったけど、彼女の場合すーちゃんとのコンビ、或いはラピスとの絡みで魅力があって、単体でだと情の強いヒロインでもあるからね。。。

 ラピスのキャラ設定は本当に秀逸で、高潔で優雅で純真で愛らしく、そして人間でない、という所から来るのか、そういう自己の在り方に一切衒いがなく真っ直ぐであり続けられる、というのが素晴らしかったですね。
 どうしても人間相手だと構えてしまうCさんでも、こういうラピス相手なら、というのは絶対にあったと思いますし、また物怖じしないで他のキャラとも色々それなりに絡みがあるのが可愛い。バトルでの専用掛け合いボイスがかなり多く用意されているのもいいですね。
 普通に接点が薄いティオに、「ねえねえ、その猫耳どうなってるの!?」は可愛過ぎて笑った。あとバトルで順番回ってきた時の、「よーしっ!」がやたらめったら可愛い。CVとの噛み合わせも抜群だったなーと思いますし、流石今作のメインヒロイン、と言っていい存在感と魅力でした。

 ちなみに夢幻回廊だと、基本前の4人がラピス・アルティナ・ティオ・レンで固定され、後は後ろにレベル上げしたいの引き連れつつ、基本的に使いやしないのが中盤以降のデフォでしたねー(笑)。
 このパーティ、ある意味では創・閃・零碧・空から大好きなキャラを一人ずつ、という感じで、お祭りFDに相応しいとも言えなくないでしょうかね。。。

 あと敢えて書いておきたいのだが、青石のフレディエピソードで、マルガリータが作った精力増強アイスに対し、アッシュが一度使ってみたい気もするが、なんてコメントした直後に、真後ろで赤面して俯くタチアナがクッソ可愛い件。君は一体何を想像したんだい?
 この二人には追加エピソードも来るみたいだし、地味に超楽しみ。タチアナ―、頑張れタチアナ―!


CG(19/20)

・総括

 多分今回、新規キャラはモーションがより精密になっていて、すごく動きが滑らかだし綺麗だしで、その点もラピスやナーディアがより可愛く感じる要素かも、とは思いますね。
 全体的なデザインレベルも着実に上がっていると思いますし、逆にたまに閃TUあたりの回想が出てくると相当ぎこちなく感じるから、技術の進歩は本当に凄いねぇとこういう部分でも実感したりします。
 エピローグでのラピスなんか完全に一点物のモーションキャプチャーだと思うし、次の軌跡からは特にイベントシーンなんかはあれが普通になるのかな、と思えばめっちゃ楽しみではありますね。


BGM(19/20)

・総括

 まあ正直、ここまではプレイそのものに意識の主軸を置いていて、はっきり聴き込めるほどではなかったのもあるのですが、ただ閃の時はそれでも、プレイ中は、おおっ、これはっ!って曲が結構あったので、それに比べると少しインパクトは薄いかなー、とは。
 今ミニアルバムは後ろで流しながらだけど、やっぱりじっくり聴けば安定感と盛り上がりは素晴らしく満足度は高いんですけどね。でもOPやED曲にしても、過去作ほど凄く好きになりそうか?と言うと微妙な気もしたので、総合的には少しだけ割り引いておこうかなー、というラインです。


総合(95/100)

 総プレイ時間は95時間ですね。
 閃シリーズよりは若干短いですが、その分お値段も普段よりちょい安ですし、それを考えてもやはり圧倒的なコスパの良さではあります。
 また全体のボリュームは少し小さいとはいえ、その分エピソードの密度はモリモリで本当に息つく暇もなく楽しめますし、シリーズの主力キャラは最終的にほぼ勢ぞろいですから、多角的な意味で魅力のあるタイトルになっていたかなと思います。
 開発の問題なのか、発売繰り上げた割にはアップデートで新規イベント追加、そこでシナリオの根幹にも関わってくる謎の開陳があるよー、ってのは少し不親切にも思えますけれど、それを差し引いても充分に楽しめるタイトルだったのではないでしょうか。

 ただ本当に、軌跡シリーズは全てのタイトルがかなり有機的に絡まっていて、今作はその極み、とも言えるので、新規参入の敷居が高いのはネックですよね。
 空Tから数えればこの創の軌跡で10タイトル目ですし、それぞれがまともにクリアするのに100時間スケールを要求されるわけで、一日3時間チョイ、一月一作ペースで進めても一年弱とはえげつない話です。。。
 それをしてでも追いかけて欲しいくらいには魅力のあるタイトルだとは思いますし、ここから完結に向けてもまだ普通に5作では効かない事になりそうなので、もはや私としてもライフワーク的に追いかけていく事にはなるでしょう。
 このタイトルも、出来れば近い内にリプレイしたいですね。ハイスピードモードがあるから、上手く時間作れたらアップデートしたらもう一周はアリかも。やっぱり二周プレイする事で、改めてはっきり気付く伏線や物言いの含みも多いですからねぇ。

posted by クローバー at 07:47| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月27日

閃の軌跡W

 本当にタイミングの問題もあったとはいえ、我ながら意思の弱すぎるほったらかしだったなー、と思います。
 やっぱり時間が空けば空くほど感想書けなくなるのは道理で、しかもこれだけのスケールの作品、易々とリプレイも出来ないですからね。
 その意味で今を逃すともう絶対に書けないと思うので、超今更に、サラっとではありますが閃の軌跡Wの感想、行ってみましょう。


シナリオ(19/20)

 ひとつの区切り、そしてはじまり。


★あらすじ

 物語は閃の軌跡Vの続きからになっています。
 力及ばず黒き聖杯での戦いに敗れ、挙句に大事な仲間を失って、鬼の力に飲み込まれて暴走したリィンが敵方に捕まってしまい、それを新旧Z組メンバーで力を合わせて奪還する、という流れから、より大きな世界大戦を如何に阻止するか、その裏側にどのような思惑と悪意が蠢いていたのかを手繰っていく構図ですね。

 リベール編・クロスベル編で触れられた様々な伏線も投入しつつ、非常に壮大な規模で進行する物語の中、絶望の淵にあるZ組メンバーは如何に立ち上がり、大いなる流れに属さない第三の道を見出していく事になるのか。
 その中で失われたものをどのように取り戻していくのかも含め、あらゆる超常的な要素と、最先端の科学の力が交わっての奇跡を引き寄せる軌跡をどうぞご堪能あれ、という感じのストーリーです。


★シナリオ

 もう発売から2年以上経過していますし、本当に今更の感想なので、極端なネタバレ配慮はなしに、サクサクっとまとめていきます。

 まず閃の軌跡、というタイトルとしての風呂敷の畳み方としては、実はこれでも性急なイメージはありましたね。
 シリーズ最長の4作目でもあり、ある意味ではお腹いっぱいなくらいにそれぞれのドラマは見せてくれている、とは言えるのですが、流石にここまで主要な人物が増えてくると限度はあって。
 その制約の中、出来る限り上手く状況を連動させて、説得性のある流れに持ち込もうと奮闘しているのはわかりますし、実際にそれで心が揺さぶられるのも間違いありません。

 けどやっぱり、特に奪還戦までの流れはあまりにも導かれたようにスムーズで、いくらそういう状況を見通す目があったとしても、安易に上手く進み過ぎるきらいはあった、と言えるでしょう。
 帝国の呪いの在り方として、少なくとも相克は確実に果たされなくてはならない、という所与の条件下、実際のところその強制力は、リィンを開放する流れに味方するのか?とも思うのですよね。
 勿論敵方にもそれを望む面々は多い、とはいえ、全てが一枚岩で、という事もないわけで、確かにこのシリーズとしての主人公はリィンだから、出来る限りさっさとリィンが戻ってきてくれないと始まらないのはわかるけど……というジレンマは感じるつくりでした。

 そこからのキャラ解放イベントにしても、閃Uの焼き直し的な部分は色濃く出ています。
 こちらもタイミングとして味方の側に都合よく動いている、という部分はあり、勿論情報は相互に作用している、というのはあれど、全てがきちっと噛み合って、時間制限もある中で動いていき過ぎる、というのはありますよね。
 空中会談の日取りにきっちり間に合わせる、という意味でも、その流れは必須だったとはいえ、駆け足過ぎるのは否めなかったなーとはどうしても感じてしまいます。
 そもそも第U分校キャラは、みんな入学して半年未満ですからねぇ。それでここまでの急成長は、箱の下地があるとはいえ才能あり過ぎ問題に直面しますわ。特にユウナがある意味一番すごいと思う。。。

 カレイジャスUに関しても、差し手二人を完全に出し抜く形での情報統制とか本当に可能なの?とは感じてしまいますけどね。
 わざわざ最後にもミュゼとオズボーンが、あれは慮外だったと念押しするくらいには、実のところ胡散臭いとは言えて、特にあんな風に、盤面の流れがかなりの精度でシミュレートできるのであれば、些細な人やモノの動きからでも……とは思えてしまうところで。
 結局ミュゼの天才性とその真価、けれどそれとは裏腹に、使命感の陰に隠れた覚悟の揺らぎなど、それももう少し合流する前とか、リィンを取り戻す前に振れておくべき要素だったなー、とは思います。

 少なくともミュゼにとって、カレイジャスUの存在、引いてはオリヴァルトの生存というファクターは絶対的にプラスになる要素ではあるはずで、けれどそれを想定していない、というのは、心の底で楽観的な観測にブレる事を無意識に拒絶していた、なんて見立ても出来るはずで、そういう心理面での掘り下げはあってよかったはず。
 ユウナの語る、普通の女の子、というふわっとした定義に、そういう諸々の機微を含めて閉じ込めてしまうのは、やっぱりあまりにも勿体ないと言うか、差し手の対抗馬としての迫力に欠けた部分ではあるのでは?と思います。
 まあただでさえ超長い物語であるのに、これ以上を求めてどうする、というのはあるのですけど、実際そう感じてしまうのは仕方ないですからねぇ。それだけ世界観の広がり、人の輪の複雑性と奥行きがあり過ぎるが故の弊害、と言えるでしょうか。
 つまるところ、新旧Z組のメンバーをある程度平等に扱おうとして、どっちつかずになっている部分が多く、それが本筋の説得性に関わる部分では如実に透けて見えてしまう、という感じですね。贅沢な話ですけれど。

 敵方に関しても、色々立ち位置の難しさはあるけれど、全体としてはやっぱりアイアンブリードの処遇がねー。
 ミリアムのあれがあって、それぞれに感じ入るものはあっても、それでも動けない、動かないというのは、やっぱり残念な要素ではあるし、最後までクレアは弱いままだったなぁ、とは。
 ある意味今回の黒の顛末の解決で、自身の立場と想いのジレンマ、という部分はある程度解消されたと思うのだけど、すると今度はその根深い罪悪感をつつきにくる誰かさんがいるとか、まあどこまでも不憫であり、不幸の似合う人ではあるのですけれど。。。

 セドリックの場合は、Uのラストの機神絡みでの心身衰弱からの流れもあるし、呪いの影響は強固になるほど、というのもわかるから、その点では仕方ないっちゃ仕方ないのかなーとは。
 アランもそうだけど、どれだけ頑張って真っ当に生きようとしても、妬みや劣等感から無縁でいられるのはどうしたって本当の才能の持ち主、ってのは厳然たる事実だし、そこから零れ落ちる中での足掻きを利用する黒の狡猾さを非難すべきではあるか、と。
 勿論それでもやり過ぎた、ってのはあるし、最後の選択も含めてこれからどう生きるのか、なにを目的として進むのか、それがいずれ対立項となるのか、全ての解決に向けての手綱となるのか、色々面白い要素ではありますけどね。

 しかしやっぱりルーファスはなー、エレガントにクズだなー。
 こっちの場合、黒の呪いに呑まれるほど軟弱な精神ではないのに、それでも固着した自己から逃れられない難しさもあって、それがどこまでも自己中心的な形でしか露呈させられていない、ってのはあるわけで。
 今更過ぎる気付きの果てに、創でもなんか普通に復活してるけど、贖罪的な在り方になるのか、それとも、という部分での立ち回りは注目ですかね。

 どうあれ、それぞれに正義の形があって、その中で譲れないものがあればぶつかるしかない、という構図でも、あくまで主要なキャラは欠けていかないという一種の緩さは維持しつつなので、その点はもうこのシリーズだから、というしかない。
 その上できちんと全ての帳尻を合わせる、オーバーテクノロジーな解決を紡いでいるのも、あくまでも人の絆の果て、とはいえ、やはり優しすぎるきらいはあるとは言えます。

 それを逆の意味で緩和するのがノーマルエンドだったとも言えて、まあ最初にあのエンドを見せられた時はそりゃ絶望するよね。。。
 今回のリプレイでもわざわざあの絶望の叫びを聴きたくはなかったのでスルーしたけど、自己犠牲が本当の幸せを導くことはない、ってのは間違いないなーとは痛感するシーンでした。
 だからこその起死回生が、どれだけ力技でも心情的に強引に納得させられてしまう、というズルさもあるのだけど、なんだかんだケチはつけつつ、やっぱり大団円は有難く、ホッとするものです。
 少なくとも閃、というシリーズにおいての主軸であるZ組の在り方として、これ以上なく嬉しい終わり方ではあったと思いますし、その感謝と絆が、やがてより大きな世界の舞台でも、と思えば楽しみではありますね。

 より大枠の世界像としては、やはり盟主がはじめて登場して、世界の枠組みをある程度示唆していったのが一番のトピックにはなりますよね。
 結局のところ、七の至宝や女神の存在も、大枠で言えば外の理ではあると思うし、このゼムリア、という世界が、なんらかの制約によって築かれた箱庭の世界である事は間違いなさそうではあります。
 勿論その中で生きる一人一人の意思が、だから虚ろなものにすぎないという事にはならないし、その世界の枷に気付けた者が、その箱庭実験の終焉と、その際に起こる避けられないカタストロフィを回避するために動く、というのはわかりやすい構図です。

 もっとも、観測者、という立ち位置からして、盟主の意図がその根本的解決にあるのか、まではまだ不明ですけど、例えばヴィータあたりはそのあたり、また最終的に結末をすり替える道筋を企図する、というイメージはありますからね。
 また、結社の行動原理自体が、人の紡ぐゼムリア社会の中で悪を孕むのは間違いないとしても、それがそれこそ鉄血のように、大いなる悪の折伏の為に、些細な悪は見逃す、という巨視的な視点での行動なのか、それともあくまで大きな方向性はあれ、個々の活動は執行者や使徒の思惑に依拠しているのか、というのも気になるところではあります。

 至宝自体も七つの内四つまでが、この世界において影響を揮える余地がなくなった、と見做せば、残りはあと三つ、どういう配分で登場してくるのか、ですね。
 まあ素直に考えれば、レミフェリアは暁で使っているのもありますし、枠としても小さすぎるので、共和国に二つ、アルテリア法国に最後のひとつ、というのが妥当な推測になるでしょうか。
 だとすれば、創で共和国編への流れを作って、共和国編で東方問題も含めて3〜4作、その上でラスト法国中心にゼムリア全てを巻き込んでの2〜3作、まだまだ完結への道は長そうですね。ゲーム内時間の3年は、現実世界の12〜3年くらいになってしまいそう。。。
 今作まででもまだまだ謎の多い、立ち位置の不明なキャラもぞろぞろいますし、気長に付き合っていくしかないですねー。

 ともあれ、総合的にシナリオとしては、勿論凄く面白いし盛り上がった、けれどこれでもまだ足りないし、仕込みの甘い部分も目立ったな、というラインで、1点だけ割り引いておこうかな、という所です。
 あとアレだね、正直絆関連は、零碧くらいのヒロインの数ならまぁ、ってなるけど、ここまで猫も杓子もみんなリィンに靡く、ってなると食傷気味だし、全体のテンポも悪くし過ぎるから、その辺のバランスは共和国編では配慮した方がいいんじゃないかなー、と思ってます。
 というか、ほんのりとはいえ、大体登場人物みんな好き合う相手が出てきてる感じの終わり方なのに(タチアナー!タチアナ頑張れー!)、リィンハーレムだけ選ばれない子不憫すぎるじゃん、とはねー。
 ユウナとか普通に主人公タイプだから、あんな風に右に倣えな感じでなくても、と思うし、アルティナもやっぱりキーアやレンみたいな家族ポジションがフィットするわけで、まあ難しいとは思うけど、シナリオの流れの中で納得のいく立ち位置に落とし込む、というのも普通にアリだとは思うのですけど。○○と××したい妄想は二次創作に任せておけばいいのよ(笑)。


ゲームシステム(19/20)

 んー、ここに関しては、むしろVで満点付けてるのは甘かったなー、ってのは。
 基本Vが完璧ブレイクゲーだったので、それに対しての諸々対策を含んでの今回の戦闘の方が、ハラハラ感と歯応えがあったのは間違いないですからね。
 勿論様々な戦略が考えられる中でも、安定のカウンター戦略やアーツごり押し、それでもまだ強いブレイク押しなど、プレイヤーの好みに合わせて戦いやすいスタイルを模索する余地が増えたのは、個人的には評価していいと思います。
 Vの場合は本当に、ユウナのトールハンマー強すぎ問題から、それを使わずなんてのは自己縛りプレイみたいになりかねなかったわけですし、今回VWと続けてプレイしてみてそこは感じました。
 また時代性として、シンプルにごり押し出来る方が簡単でいい、という層も一定いるだろうし、そもそも高難易度プレイすらしない私がえらそうに語る義理もないのだけど。。。

 逆にやれることが多過ぎて煩雑になっている、というのはあるし、特にクォーツ関連は、きちんと全体に配慮してやり繰りしていく難しさ、大変さが過去作の比ではないのですよね。
 そのあたりもう少しセッティングに対しての敷居の低さとかあってもいいかと。攻撃型、防御型、アーツ型、スピード型くらいの設定から、キャラに合わせて手持ちの中から最強を自動生成してくれるとかね。正直このWで、マキアスあたりのクォーツ構成を真面目に悩み、地縛りがきつい中で、使えるキャラとして確立させる努力をしたプレイヤーがどれだけいることか(笑)。
 あ、あと細かい話だと、雫系をキャラに投与するのに、1個ずつしか出来ないの何とかして。基本全部アルティナにしか注ぎ込まないのに、一個ずつ一々ボタン連打して投与するの面倒過ぎる。。。

 サブ的な部分はそれなりにユーザビリティが効いてはいたけど、むしろボリュームあり過ぎで時間泥棒でしたし、厄介なものも多いからねぇ。
 VMはまだそこまで難しくないんだけど、ぽむっとが特に後半のキャラは中々勝ち切れなくて苦労するし、それでいて全キャラコンプすると幻属性最強のマスタークォーツのエルダでしょ。
 ぶっちゃけあれがあるかないかで、アーツ組の火力がまるっきり違うし、ミニゲームで超有用なアイテムの敷居を高く設定するのはうーんなんかなぁ、とは思ってしまったりも。まあそれを言うならヴォーダンヴァルハラもそうだけど、特にこういう反射神経が必要で、速度についていけてもブロック構築なんかはほぼ運頼みにならざるを得ないのはねー。
 あの終盤戦の速度で、普通に連鎖まで意識して積めるのは、普通にぷよぷよマスターレベルじゃん、って思うし、せめてミニゲーム単体での難易度調整はあってもいんじゃない、と思いましたとさ。

 あと今回はいつも以上に、装備固定のユニークキャラ限定戦が多かったのですよね。
 勿論それはそれで楽しいけど、普段の戦略がストレートに持ち込めなかったりはあって、その都度クラフトやアーツ攻勢を精査して、というのも辛い話ではあります。
 それでいて結構難易度調整はシビアと言うか、ノーマルで塩の杭とか結構普通に厳しいからね。まあ最悪その時だけ難易度下げろ、って話かもだけど、そのあたりの匙加減はもうちょっと配慮してもいいかも、とは思いました。

 全体として取り立てて気に入らないシステム要素はないんだけど、細かく見て、あまりに手広くやり過ぎていてもう一息配慮が欲しいな、って面も見えるので、そこを踏まえての少し割引になっています。


キャラ(20/20)

 まあキャラは細かく書き始めるとキリがなさ過ぎるので、基本的にはロリっ子サイコー!という事で。。。
 トータルで見てもやっぱり一番好きなのはティオで、アルティナとレンとトワ、後は不思議とミュゼがどんどん好きになってきて、このラインに乗ってきた感じ。
 勿論それ以外も可愛い子ばかりで、そりゃリィンもこれだけより取り見取りじゃ逆に選べんだろ、とは思ってしまうのでした。。。

 絆イベントなんかはでも、逆に男イベントの方が面白かったりもするから侮れないですよねー。
 分校組もそれぞれきちんと存在感があって、元々のトールズ組含めて、本当に個性豊かで、それでいて心根の綺麗な、素晴らしいキャラばかりで楽しかったなーと思います。
 シナリオの都合上どうしてもうーん、のキャラはいたけれど、それを相殺して余りあるヒロインズの魅力満載で大満足です。基本的に私、プレイ中にどんなシリアスな場面でも、○○可愛い可愛い可愛過ぎるーとかしか言ってないからね、キモイキモイ(笑)。

 勿論フィールドでは、基本アルティナのお尻と黒ストを追いかけるお仕事ばかりしてましたとさ。ティオがいる時だけはティオだったけど。
 まあ楽しみ方として邪過ぎてそれでいいのか?ではあるけれど、もうこれは業なので受け入れるしかありませんしね。。。


CG(19/20)

 改めてもTUからすれば相当にグラフィックや、絵の質そのもののクオリティも上がっていて、見栄えよくとても楽しめましたね。特にアルティナのニッコリ笑顔とか尊くて尊くて。。。
 どうしても過去作からの引用で、見た目に違和感があったりとかそういうのは仕方ないし、一々全部新規差し替えしろとか贅沢は言わないけれど、純粋に今が一番綺麗で可愛いのは間違いないと思います。
 当然それだけではなく、迫力のある部分や凄惨な場面、精密な部分なども非常に手抜きなく頑張っていて、満足度はかなり高いと思いますね。


BGM(20/20)

 文句なし、です。
 新規も全体的に素晴らしいけど、要所でT〜Vまでの曲やそのアレンジが盛り込まれて、地続きの物語としての盛り上げ方が非常にに上手いな、と思いました。
 最後のオズボーン戦の前で、Tのテーマ曲でもある特化クラスZ組が流れた時とか、最初のプレイの時はテンション振り切れて泣きそうになりましたからね(大袈裟)。

 ボーカルも素晴らしい出来なんだけど、愛の詩はどうしても本編だとあのエンドでしか聴けないのが辛過ぎるよねぇ、と。
 BGMでは未来へ。とか超好きです。


総合(97/100)

 総プレイ時間は、初回時で120時間くらい、今回のリプレイでも普通に80時間くらいかかってますね。
 やっぱり市井の人一人一人に一々物語があって、勿論主要キャラにはそれ以上の深みがそれぞれに盛り込まれていて、それを全てきっちり網羅していくだけでも鬼のように時間がかかるゲームだなーと再認識する結果でした。正直Tから全部やり直しとかしてたら絶対間に合わなかったわ……。

 ボリュームに見合うだけの盛り上がりと多角的な面白さを提供してくれる良質な作品ですし、閃シリーズの結末としてはやはり文句ない出来栄えだったなと思います。
 どうしてもこのシリーズの場合、途中参入のハードルがかなり高いというのはあって、実際にこのWにしても、相当にリベール組、クロスベル組との絡み、それぞれの話がしっかり盛り込まれているのですよね。
 その意味で閃シリーズ、という視点での純度は少し、いやかなり下がっているタイトルにもなりますし、そこは賛否両論あったと思いますが、頑張って後追いでも追いついた身としては嬉しい要素ではありました。

 創の軌跡は、どこかこのWのお祭り騒ぎの延長戦、という色合いもありそうですけど、このWで掘り下げきれなかった個々のエピソードなどしっかり見せてくれたらいいな、とは思ってます。
 本当にこのシリーズは、純粋にコスパという意味でも素晴らしいですし、流石に創は少しお安い事も踏まえて、閃ほどのボリュームにはならないでしょうが、それでもクリアまで何日掛かるかなーと今から戦々恐々しております(笑)。
 改めて、本当に超今更ですけど、やっと感想が書けて良かったです。軌跡キャラみたいにストイックにひたむきに頑張れる才能、どこかに落ちてませんかねぇ……。

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2020年07月30日

グリザイアファントムトリガー Vol,7

 まあここまでくればシリーズ完結まで追いかけますとも。
 あと超余談ながら、Vol,7と書くとボルシチを思い出しますな。。。


シナリオ(20/30)

 筋書のある戦場。


★概要

 シリーズものなので話は地続きですし、今回は5,5s6で詳らかになった、SORDが長年追い掛けている敵対勢力との因縁を、多層的に解消していく、シリーズとしては風呂敷を畳みに来ている回、という位置づけになると思います。
 その分なのかこれまでより少し割高で、実際にボリュームも少し長めなのですけど、しかしそれでいてこのエピソード自体は完結していない、という半端さではあるのですよね。。。
 多分この感じですと次で最終作なので、正直そっちが出てからまとめてプレイしてもいいんじゃない?という感覚にはなります。


★テキスト

 ますます筆が冴え渡る、多彩な薀蓄とシニカルな人間描写・心理描写はやはり素晴らしく面白く読めますし、それぞれのキャラにも長く付き合ってきての愛着は強いので、シリーズものとしての魅力を十全に利用し尽くしている、という意味でとてもバランスの良い語り口です。
 まあ相変わらず色々暑苦しいと言うかくどい面もあるけど、それが辛いって人はそもそもシリーズ追っかけないでしょうからね。。。


★ルート構成

 今回も遊びの選択肢はあるものの、物語としては一本道です。
 が、次回はひょっとすると、それぞれの対決ルート毎に分岐があったりしそうな気配もなくもなく。怖い怖い。


★シナリオ

 ストーリーとしては、今までのシリーズの集大成的なエピソードとなり、その分個々人の掘り下げのプラスアルファや、縦横の繋がりの強化、また真実の戦場に直面する上でのそれぞれの苦悩や葛藤など、かなり丁寧に紡がれていて、合間合間にらしさ溢れるコミカルな展開も交えつつの重厚な仕上がりになっている、とは思います。
 ただそれでも少し拙速というか、今作と次で風呂敷を畳もう、という意識がしっかり感じられる中で、ここまでスポットを当ててきたヒロインズそれぞれに見せ場を用意しなければ、という想いはわかるのですが、その為に敢えての敵役を、やや前提条件すっ飛ばしで出してきてない?って気はするのですよね。

 特にマキとかニンジャ組はそれが顕著で、基本的にはSORDという学生組は補佐・末端という位置づけの戦場で、それでもあくまでも最終的には彼ら彼女らの活躍が戦況の優劣を左右する、というキャスティングボード的な立ち位置にスライドさせられていくというのは確かなのでしょう。
 それが戦場の理として自然なのか、必然なのか?という点においては、正直まだ踏み込みが足りないと言うか、本来ならもう一周ずつ個々のエピソードをやった上で、その居場所を減らしていった結果の必然として、もっとも巨大な敵に糾合されていく、というスタンスが欲しい、とも思うのですよね。
 或いはもともとはそういう構想だったのかもですが、それを圧縮しての今作、という感じもあって、まあソシャゲ展開もしていく中で両天秤は難しいというのもわかりますけど、ソシャゲはやらない身分の私としては残念に感じざるを得ない部分ではあります。

 更に言えば秋桜里の葛藤と決断に至っても、やはり少しばかり強引と言うか拙速と言うか、結果的にそれがプラスに転じる仕掛けは用意されていると思いたいですけど、裏目に出るパターンも普通に作れそうなだけに、次回の後編はかなり怖さがあります。
 今回はそれなりに尺もあり、その中で最低限個々の覚悟とスキルアップ、立ち位置の確認は出来ていますし、それを踏まえての前哨戦は終えて、次こそが全面対決、という彩りなわけで、ある意味では佳境寸前でぶつ切りですから、その構成自体も少しズルさはあるなと感じますね。
 てかどうせやるなら、もう少し明白なピンチ到来!ってとこで切ってもいいのに、と思わなくはないですが、そこまであざとくしなかったのは、やっぱり敢えて次に悲惨要素は一気にまとめて、とか企んでそうで怖いです。

 ともあれ、シリーズ愛読者としては今回も安定の面白さ、キャラの魅力は発揮してくれていると思いますし、値段相応の満足感はありますけど、これで後編いつ出るの?となった時に、普通に半年以上待たされると辛いなぁ、って所はありますね。出来れば今年中に完結させて欲しいものです。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 今回はほぼ新規キャラはいないのですが、その分過去作のゲストキャラ含めてオールスター出演、という感じでもあり、その絡みも含めて楽しかったですね。チョコバニラとかめっちゃ懐かしいわ。
 あと、立ち位置的に一番秋桜里を悩ませる部分、というのもあったのでしょうが、今回はタイガ様の出番とワード数が図抜けて多かった気がして、その点は非常に私得な感じでした。タイガ様可愛いよ天使だよタイガ様。
 トーカの安定のツンデレも最高だったし、まあ満足です。


CG(16/20)


★全体評価など

 今回はいつもよりちょい高目の値段設定ながら、CGSDの合計枚数はいつもと変わらない、ってのは少し残念なところでしたね。
 出来自体も普段通りの安定はしてるけどめっちゃ好き、というほどではないってラインで、今回はトーカの膝座り、タイガ様の看護モードがとってもお気に入りです。


BGM(17/20)


★全体評価など

 新規はED曲1曲に、BGMは4曲かな、と思います。
 EDは今回のラストをイメージして、グリザイアシリーズらしいハードボイルドとスタイリッシュが上手く融和したようなカッコいい曲に仕上がっていますし、これは中々聞き応えがありましたね。
 シリーズ通じて大分曲数も膨らんで、その中で、あ、これ好きだわー、ってのも増えてきましたし、その辺りの選別がきちんと上手くいっているのは評価していいところかなと思います。


システム(9/10)


★全体評価など

 シリーズ準拠の評価ですね。いつもながらに出来は安定していますし、戦場の迫力もある程度しっかり担保出来ていて良かったと思います。


総合(82/100)

 総プレイ時間7時間くらいですね。
 戦場に行くまでの下準備も出来得る限りには丁寧に、それでいて間延びしないようにそれぞれのキャラの魅力を少しずつでも掘り下げて、というバランスがよく取れていますし、いつもながらの薀蓄も多岐にわたって面白かったです。
 戦場に出向いてのあれこれも、どこまでリアリティがあるのか、という部分は置いておくとしても外連味たっぷりでとてもハラハラドキドキ楽しめますし、同時にひとつ踏み外すと奈落、という恐ろしさも感じさせるあたりが魅力的です。

 もっとも、やはり途中で完全にエピソードぶつ切りで次回に続く、となるのは、途中からそうだろうなとわかっていてもやきもきする要素ですし、これ単体で高く評価しにくい要因にもなるとは思います。
 でも次に向けての期待値は間違いなく上がるつくりですし、おそらくの完結編、最高に盛り上がった上での大団円になってくれればいいのですけどね。

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2020年07月02日

徒花異譚

 こちらもやはりライターさんの信頼度高かったし、体験版も面白かったのでサクッと購入。


シナリオ(26/30)

 お伽噺の、包容力と可塑性。


★あらすじ

 気付くと、少女は森閑とした森の中に佇んでいました。
 右も左もわからない中、突如謎の化け物に襲われて、そこに颯爽と現れ、筆を振るって撃退した少年は黒筆と名乗り、彼女自身が白姫と呼ばれる存在である事、ふたりで一緒に、お伽噺の修繕という役目をはたしていた事を説明してくれます。
 色々不明な事もありつつ、それでも体と心がその在り方にスッと馴染むように、秘密の蔵を拠点とした二人の修復譚がはじまって。
 その過程で見聞きしたもの、かつての自己の想いを少しずつ取り戻していく白姫。果たしてその先にある彼女の真実、この世界の信じるは如何なるものなのでしょうか?
 これはお伽噺の可塑性と可能性を示した、切なくも優しい夢物語です。


★テキスト

 いつもながらに流麗典雅、美しさとコクが際立つ素敵な文章ですね。
 悪戯に弄んでは装飾過多になりがちな語彙を、あくまでも物語の雰囲気と道筋に合わせて縦横無尽に使い分けて、くどくどしくならないギリギリのバランスで綺麗にまとめていますし、肌に合う合わないはあるにせよ、私はやはりこれ、好きですねー。


★ルート構成

 各章ごとにいくつか選択肢があり、その結果としてハッピーエンド、ビターエンド、バッドエンドにきっちりと分岐します。
 意外と選択の仕方が難しく、総合的に見ると作品のテーマにピッタリと沿ったつくりなのですけど、最初のプレイの時にはその大枠を見極めるのも簡単ではないので、その点で色々先読みをしながら、という楽しみがあります。
 総じて中途半端はダメ、という構図になっているのも印象的で、シナリオ性との連動もきっちりしていますし、正に過不足ないつくり、ADVならではのゲーム性をしっかり打ち出せているのではないでしょうか。


★シナリオ

 全体として非常にきっちりと、一貫したテーマに沿ってまとめられた清冽な物語、というイメージですね。

 土台として、お伽噺というものが持つ独自の柔軟性、地域・時代性に合わせて変化し続ける、という定義があります。
 平たく言えば、お伽噺はその時代・土地ごとに、存在する人が望む形で膾炙する、という思想性で、実際にそういう傾向は強く、お伽噺に限らず民間伝承など、異説・異譚がつきもの、という側面は往々にしてあります。
 この作品は、白姫の現実と空想力を土壌として、そのお伽噺の持つ可塑性に対してどこまでの想いを寄せられるか、というアプローチの姿勢が常に問われており、それはより巨視的に言えば、白姫を操るプレイヤーが、白姫の物語に異譚性を求めるか、予定調和を求めるか、という色付けにもなっていると考えられます。

 元々お伽噺というのは、決してやさしい物語ばかりではなく、教訓譚としての残忍性、哀切も多様に含んでいる為、そういう部分に対してのなぜ?と常に問いかけることが求められている、とも言えます。
 そのなぜ?と問いかける想いの在り方こそが、人そのものを変えていく原動力でもあり、どんな苦しい状況であろうと、ただ従順に事実を受け入れるだけではない想いがあるかないか、というのは、克己の意味でも非常に重要な概念なのでしょう。

 今作は白姫の心象に合わせて選択されたお伽噺を通じて、そういう精神性の部分を丁寧にトレースし、読み手にも寄り添いながらの理解を求める非常に厳正で緻密なつくりになっており、細かい部分にまで配慮が行き届いていて、グランドデザインがとても優秀と言えます。
 その上で、きちんとお伽噺らしい残酷さや空疎さに至る結末もきちんと用意していて、このあたりは作品の奥行きを非常に高めていますし、それをきちんと選択肢に秘めた意思によって現出できる、という構図も素晴らしいです。
 まあそういう、実際性の薄い世界像の中でこそできる技、という限定的な要素はありますけれど、それはそもそもの作品のスケール・尺からすればそうなって然るべき部分ですし、むしろこの尺で良くここまで綺麗に、説得的に、全ての要素をまとめ上げてきたなと感心する次第です。

 細かい部分はネタバレになり過ぎるのでスルーしますが、これはいわば白姫の物語に読み手が異譚を求めるか否か?という部分に集約されるつくりですし、その結果として冒頭&ラストの展開が、どちらでも取れるような柔軟な構造になっている、というのも味わい深いところです。
 彼女を突き動かす芯にある想いそのものはそりゃあベタと言えばベタですし、そういう純粋一途な在り方しか許されなかった時代性と背景、というのも、比較的理解しやすい構図にはなっているので、これは本当に面白かったですね。
 枠組みとしてこれに似た作品はそれなりに多いですけど、ここまでシンプルでありながら完成度高いものも滅多にないと思うので、これは派手さはないけれど結構な名作なのではないか、と個人的には思っています。


キャラ(20/20)


★全体評価など

 それぞれに素朴で純粋な個性があり、それはあくまでも投影されたもの、という位置づけもありますが、本質的な善性を象徴するものでもあるので、その辺りも含めてキャラ性には惹かれるものがあります。
 しっかりと人の強さと弱さも表裏一体に投影されていますし、その中での受け止め方、向き合い方など染み入るものがあってかなり好きです。

 勿論ヒロインとしての白姫の楚々とした美しさと純朴な愛らしさは素晴らしいですし、後はやっぱりCV込みでうりこ姫ちゃんこと妹ちゃんのこまっしゃくれた可愛さがとても味わい深かったですかねー。


CG(17/20)


★全体評価など

 いつもの独特なタッチと味わいの絵柄で、こぞって好みだとは言わないのですけど、作品の雰囲気にはきちんとマッチしているのが素敵ですよね。
 全部で30枚と分量的にも充分値段からすれば、ですし、色彩感覚のセンスの良さはとても素晴らしく、文字通り絵草子を見ているような感覚で楽しめると思います。


BGM(17/20)


★全体評価など

 こちらも世界観に絶妙にマッチした、和の色が強く朴訥で可憐、それでいておどろおどろしさや不気味さもしっかりと備えた、丁寧なつくりになっているのかなと思います。
 ボーカル曲は1曲、BGMは15曲なので量的には妥当なライン、質的には中々だと感じますし、特にテーマ曲の端麗な美しさは際立っていますね。とりわけAメロラストのリフレインの部分が気に入ってます。
 BGMでは4番9番あたりがいいですね。


システム(9/10)


★全体評価など

 演出面は、作風に合わせた形での情感の引き出しがきっちりと出来ていると思いますし、タイプ的にきゃらきゃら動いてどういう、という方向性でもないので、しっかりとイメージに沿う形では確立されているのではないかと思いますね。
 その分一枚絵の雰囲気に依拠する点も多いですけど、その辺りの噛み合わせ、擦り合わせも丁寧に出来ている感じで、やはりいい出来だと思います。

 システム的にも必要最低限ラインですけど、特にプレイ感に問題ないと思いますね。


総合(89/100)

 総プレイ時間6時間。
 本筋が5時間くらいで、ジャンプ駆使しつつ別エンド回収などで1時間くらいの感覚で、そう長くはない作品ですけど、密度が非常に高く味わい深いものがあります。
 ある程度謎が多い中でのスタートから、徐々に霧が晴れていくように真実を垣間見て、というつくりは王道的ですが、その中で育まれる想いや意志、ストーリーの方向性と合わせて浮き彫りになっていくテーマ性など、本当に緻密な構造になっており、よくここまで、と感心するレベルで完成度が高いです。
 こういう幻想的な雰囲気の物語が好きな人には大変おススメかな、と思いますし、お値段以上の価値はある美しい作品でしたね。

posted by クローバー at 05:43| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする