2017年11月11日

ヤミと祝祭のサンクチュアリ

 基本的にこういう伝奇ものは好きですし、体験版もそこそこ面白く、悠里とノアが大変に可愛かったのでこれは買っておこう、と。

シナリオ(20/30)

 神の手が奔放過ぎて。

★あらすじ

 主人公は、人ならざる者と対峙するために磨き上げられてきた一子相伝の古武術・出雲流の正統な継承者。
 幼い頃に怪異に襲われているところを助けた縁で仲良くなった、この国きっての財閥の娘・亜梨栖に頼まれて、新座島という離島にある訳アリの学園・神薙学園に従者として編入学する事になり、はじめて地元を離れての生活が始まります。

 亜梨栖が主人公を必要としたのは、かつて亜梨栖の姉がこの島で失踪していて、けれどそれを家の者が誰も問題視しないため、自らの手でその謎を解こうと思ったためで、すなわち向かう場所の全ては敵、くらいの気持ちで、知り得る限り一番信頼が置ける相手に護衛を選んだのです。
 かくしてはじまった島の生活、亜梨栖の友人の悠里との再会や、同じく大きな財閥の娘であるユーリエやクローデットとの出会い、その出会い頭の衝突などでややいざこざはあったものの、思ったほどに明確な妨害や悪意は感じ取れず、むしろそれ以上に不穏だったのは、この島には主人公の本領たる怪異が夜な夜な跋扈している、という事でした。

 最初は人災を頭に置いていた亜梨栖も、この島の不思議さを目の当たりにするにつけ、様々な可能性を模索するようになって、最初は二人きりで進めるつもりだった島の探索などにも誰かの手を借りることを良しとして。
 その選択によってより特定のヒロインと親しさが増していき、けれどその行動が契機となって新たな火種や不穏も発生していく事になります。

 果たして彼らは無事にこの島の謎を解き明かし、いつもの日常に戻ることが出来るのか?
 育んだ新たな絆の先には、どんな未来が待ち構えているのか?
 これは、主人公がこの島で改めて人らしい情緒と愛を学びつつ、様々な形で巣食う島の闇を暴き、健やかな未来への道を切り拓いていく、愛と勇気と信念の物語です。

★テキスト

 全体的にフラットで淡々としていつつ、しっかり密度の高い情報の詰まったこなれたテキストですね。
 かなり島の特異性に対する説明が土台に必要となる中でも、それを上手く会話の流れや状況そのものに散りばめ、決してくどくならないようなテンポを意識している感じで、文章自体も平易で読みやすく仕上げているのでサクサク進められますね。

 裏返して特別な情緒や雅飾があるわけでなく、読み口そのもので心に響く、なんてところはそんなにないのですけれど、総じて丁寧にまとまったいい出来だと思います。

★ルート構成

 基本的には共に歩みたいヒロインを積極的に選んでいけば、というイメージです。
 正直亜梨栖はロックキャラなのかな?と思ったけれど多分そうではなく、基本的に相互間での致命的なネタバレは控えめのつくりになっていますし、選択肢自体も最初に2+2で分岐、そこから更に個別に分岐という、フローチャート形式を生かした枝分かれ型でわかりやすいと思います。

 加えてバッドエンド分岐や、個別でのノーマル分岐などもちらほらありますが、このあたりは後々でも簡単に回収できるつくりになっているので、そこまで気にせず進めてしまって良さそうです。
 一応亜梨栖のトゥルーが正史、的な扱いではあると思いますし、彼女を最後にした方が締まりはいいとは思いますが、無理に順番に拘る必要性はないですかね。

★シナリオ(大枠)

 基本としては、元々の目的である姉の捜索に従事しつつ、けれどその裏側にあるものが予想以上に怪奇に寄ったものであることに気付き、そこと上手く対峙するために誰かと手を組んでいく中で、少しずつ状況や情感に押し流されてベクトルがズレていく、というイメージの物語です。
 どのルートでも最終的な着地点に至る、というわけではなく、あくまでも当該ヒロインとの絆をより強固なものにするのに適切な怪異絡みの事件が起こって、その目先の解決を優先していく内に情理の部分での変化も強く起き、その二人ならではの結論に至っていく形ですので、やはり共通の流れからしっくり噛み合うのは亜梨栖ルートが一番、というのはあるでしょう。

 当然他のルートでも亜梨栖自身はその目的の達成を諦める事はないですが、結果的に見てそこに至るには主人公との二人三脚を維持し続けることが必要になっています。
 この作品の場合、各々のルートに入った時に起こる事件が、本当に二人が結びついた事と因果関係があるのか?と疑問視できる部分が結構あって、クローデットの従者の話やサキュバス封印などは他ルートでも自然に阻害されてたり、或いは発現しないイメージを持ちやすい因果が含められているとは思いますが、雪那関連とか、海坊主とか、そのあたりはその因果を図式化するのが難しい、とは思います。

 ただ結局のところ、亜梨栖ルートで開陳されるこの島の秘密に即して考えるならば、新たに育まれ始めた絆のポテンシャルを最大限に生かすにはどのような試練が必要か、という観点においての容喙、神の見えざる手が介在していると考えることは可能ですし、プラスしてバタフライエフェクト的な観念と並行させることで、ある程度そのファジーさに説得性を持たせているのだろうとは思いますね。

 そして、物語の取っ掛かりにそういう措置を施している事により、純粋に問題そのものに向き合う尺を存分に取れていることと、それに付随して主人公と該当ヒロインが少しずつゆっくりと絆を深め、関係性を変化させていくイチャラブ的な観点をもしっかり並列的に語れている、というのは利点だと感じますね。
 その意味では究極的にご都合主義とも言えますが、なまじ厄介な背景の説明やこじつけをスキップしただけ、物語として深みはありつつスッキリしたわかりやすい構図にもなっていますし、まぁこういう話ですので基本的にエロス成分は薄め、特にシナリオに則した形では、というのはご愛嬌ですが、どのルートも水準をクリアする出来を保持しているかなと感じました。

 ただ一方、そうやって全体の構成を緩やかな結合でまとめている分だけ、メインとなる亜梨栖シナリオで、その辻褄を合わせるような必要性が生まれず、結果として他ルートと尺や迫力、緊迫感の点で横並び程度になってしまっているのは肩透かし、というのもあります。
 一応他ルートを先にやっておくとこのあたりはそういう因果か、と納得できるようなイベントもありますが、ただあの鬼にせよ、悠里の覚醒にせよ、このルート単品で見た時にはなぜそれが起き得るのか、という説得性には当然欠いているし、肉付けも足りないと思えてしまうので、評価が難しいところではあります。

 やはり贅沢を言うならこのルートはロック付でもいいから、あらゆる要素を内包して、それを打破して進んでいく重厚さが欲しかったなとは思いますし、そうであればこそ、最終的な決着に至る為の神の思考の飛躍にもより納得が生まれるのではないでしょうか。
 枠組みとしてはその辺ははっきり不満ですし、よりこの二人ならでは、というものが欲しかったと思います。

★シナリオ(個別・ネタバレ)

 個別評価としては亜梨栖=悠里>ユーリエ>クローデットくらいでしょうか。
 どのシナリオも水準よりは上で丁寧にバランス良くまとまっていると思いますが、一方で突き抜けて面白い、と言える要素が足りていないのも間違いないですね。

 下からサラッと、クローデットに関しては結局終始彼女が元々抱えている柵に、怪奇要素が付随する形で巻き込まれていく、という構図ではあるので、正直あの好き好き攻勢に押し負けて情に流された結果として面倒事に巻き込まれた話、というイメージは強いです。。。
 エリスの逆恨みと能力の発現なんかはまず典型的なところですし、その後の最初に海に沈んでいったアレックスの鬼化なども含めて、基本的にはクローデット側の内在要因が、この島の神秘と結びついて牙を剥いた話ではあり、けれどその責任にしっかり向き合って対峙するクローデットというヒロインの魅力を引き立てるのには確かに有用だったのだろうとは感じます。

 また、エリスの姉が神のインターフェース的な存在だったことも含めて、いつどの時点からそういう関係性が刷り込まれていたのか、というのもあり、それはやはり一度はクローデットが課外授業でA評価に至ったことが起因しているのかな、と思います。
 亜梨栖ルートでも出てきたように、その評価を獲得した上で最終的なテスト、あの発信機の存在に自力で辿り着けるか否かが、そのポテンシャルを、神の介在なしに人がやっていける、と認める分水嶺だとするならば、その時点では一度失格してしまった、けれど可能性はあるから見届け人をすぐ近くに置いておこう、くらいのイメージでいい気がします。

 だから身も蓋もない事を言えば、クローデットに関しては主人公と結びつくことによるプラス面よりも、しっかり派閥を強固にしてその力を存分に奮う方が、社会的な影響力は大きかったんだろうなと、その意味でもクローデットが主人公に傾倒する事で派閥に不協和音が発する事とリンクしている、そんな感じはするシナリオです。
 無論これはこれで面白かったですし、クローデットも気高くも可愛らしくて良かったですが、大枠としてはそういう外れ籤的な側面もあったのかな、と思わせますね。
 そして私エリスを攻略したいんですけど、分岐選択肢パッチはまだですか?

 ユーリエに関しては、元々の彼女の目的が、その血の純粋性というか、強固さを保持するために、怪奇的な方面に理解があり、あわよくばそれを色濃く自身の血にも体現している存在を見つけ出して結びつく事、にあるので、その点で彼女の本領がどこにあるのか、というのは曖昧なイメージになっています。
 このルートの場合なんでここでだけ雪那の盗難イベントが起きるのか、という因果が、上で触れた神の悪戯意外に説明し辛いのが難点ではありますし、その経緯が二人の結びつきを強くしてくれたのも事実ですけれど、そもそもユーリエの家やユーリエ自身がやや内向きな観念を抱いている点も含めて、最初から最大級の影響力を奮える地平に至る筋道はなかったのかも、と思いますね。
 クローデットは恋する事でかえってこの可能性を閉ざしてしまったけれど、ユーリエの場合は、或いはいずれよりこういう怪異に理解のある人材を糾合して、という方向性でなら有り得たのかもしれないですけれど、少なくともこの島で紡げる絆の最大値は見劣っていたと考えます。

 まあそういう下地はともかくとして、そもそもの主人公に対する試しや、それを契機にしての接近、雪那の体質を何とかするために奔走する状況との合わせ技で、ユーリエの謎やその心根をあらわにしていく流れ自体は面白かったですし、危機の解決法としても荒唐無稽さはあれど、この二人ならでは、という意思がしっかり滲んでいて悪くはなかったですね。
 そして私雪那を攻略したいんですけど以下略(笑)。

 悠里に関しては、他三人よりは家柄もそこまでではなく、本人の気質的にも多くの人を束ねて影響力を行使する、なんていうのは土台無理な話ですので、この島が本当に求めている人材の輩出レース、という観点では最初から土俵に乗っていないと見做すことも出来ます。
 それは悠里の両親が、彼女の家に伝わる真の力を未だ秘密にしている事も含めて、少なくとも現状ではどうにもならない部分だったと思いますし、ただそれでもああいう形で島が危機を迎える中で、そのポテンシャルを最大限に発揮する機会を与えられ、それに応えたという意味では、成長度合いとしては一番だったかもしれません。

 またこのルートは亜梨栖&悠里分岐からの派生でもあるので、より本来の目的に近しい流れを汲んではいて、結果的に主人公の気持ちが悠里に傾倒する事で、それに感応する形でああいうサキュバス的な存在が解き放たれる事となった(或いはここは、先生が結局落とし物を見つけられずに、という可能性もユーリエルートで示唆されていましたが、それだと他ルートとの辻褄が難しくなるので、ここも神の手扱いにしておいた方が通りがいいです)、その筋道と互いを意識していく過程の丁寧さは一番良かったと思います。
 まぁ私が悠里を断然好きなので、そのあたり甘く見積もっているきらいはありますが、亜梨栖ルートでは拍子抜けなくらいあっさり顕現する神弓、破邪の力への到達のプロセスも含めて丹念な構成でしたし、イチャラブの素敵さも含めて高く評価したい話ですね。
 そしてノアちゃん以下略。。。いやあの子は一応ノーマル扱いでシーンあるけどさ、流石に足りんよ!基本的にこの作品、ロリ成分が不足してるし、ロリヒロインが不遇だよ!

 亜梨栖に関しては、基本的に他者の力を出来る限り借りずに二人だけでなんとかしよう、という意思の発現が、結果的に分水嶺を超える評価を得る事に繋がっていきますし、枠組みとして見るなら納得は出来ます。
 ただ理路としてならともかく、感情面でこの二人の結びつきはそれだけ特別なんだ、と納得させられるだけの重さがあったか、というと、流石にあの海坊主イベントからの会長の暗躍に至る流れだけでは不十分には思えましたし、また他ルートの伏線を軽く開示して特にその背景面を顧慮しないのも、あまり上手いやり方ではなかった気もします。

 無論オモイカネという神の在り方や、その思想の着地点に関しても大分ファジーなものはありますし、結局静がその巫女として見込まれて、基本的な人格を抑え込まれてああいう役割を果たしていることに際しても、なぜそれに実家が沈黙を保ったのかとか、政治的な側面での謎は完全に払拭されていなかったりと、一応の解決はしているのだけどスッキリしないものも残る話になっています。
 そりゃあトゥルーと言える話なので盛り上がりはしっかりありますが、これも上で触れたように、ルートロックしてでももう少し重々しく、それぞれのルートの特質や、各ヒロインのポテンシャルを引き出すのに一悶着や、なんらかの明確なアクションを用意して積み上げていけばより良かった、とは思ってしまいますし、その点で評価は辛口になってしまうな、というところですね。

 以上、総合的に見て怪奇譚としての面白さと、イチャラブイベントとのバランスを上手く取れている、そつなく面白い作品ではあると思いますが、シナリオゲー、として見た時にはもう一歩整合性の面での甘さ、トゥルーエンドの奥行きの足りなさが目立つ中途半端な内容だったとも思えます。
 なので点数としてもちょっと迷いましたが、他の要素と噛み合わせてもAクラスにはちょっとだけ足りないかなぁ、という所で、少し辛いかもしれないですけどこの点数にする事にしました。
 まあ個人的には悠里ルートの悠里の可愛さを超堪能できただけで比較的満足はしているんですけどね(笑)。



キャラ(20/20)

★全体評価

 シナリオの工夫によって、この手の作品にしてはかなりしっかりキャラ性に向き合う尺と、それによる成長要素をしっかり書けている、という印象はあって、無論それでも足りない面はありますけれど、特に割り引いて考えるほどの部分はそんなにないかな、って感じです。
 勿論厄介なキャラや敵役もぞろぞろいますが、一応純粋な悪という割り振りではなく、それぞれの信念をもって、という点は明快ですし、それでも相容れない以上は対立するしかない、という構造面も含めて、キャラのイメージは強く植え付けられやすい仕上がりだったのではないでしょうか。

★NO,1!イチオシ!

 いやもうこれは断然悠里ですねぇ。体験版時点でヒロインでは一番期待していましたけれど、ここまで純朴で愛らしくて素直で献身的な子だとは、と、思わぬ拾い物をした気分です。
 流石に殿堂ラインに乗るか、というと甘すぎるかなとも思うのですが、基本的に朗らかで常識人で、女の子らしい恥じらいを常に持っていて、他のヒロインがなまじ無駄に露出過多だったりもするから、余計にその清楚さが引き立つというか、本当になにもかも好きで好きで仕方ないですわ。
 この子の場合はトランジスタグラマーなところも、その清楚さとは裏腹に、っていいアクセントになっていると思いますし、個別でのこそばゆく青々しいイチャラブも最高に可愛くて、この子に出会えただけでもこの作品をプレイした甲斐はある、と断言できますね。

★NO,2〜

 一応次は亜梨栖にはなるでしょうか。
 基本的に冷静沈着で目的の為なら手段を択ばないような怜悧な面もあるけれど、その分一度心を預けた相手に対してはとことん真っ直ぐで率直だし、メインヒロインらしい風格、意思の強さ、それでいてしっかり可愛げも併せ持っているので、その点では申し分なかったのかなと思います。
 まあ個人的にはこういう自立性の強いヒロインよりは、悠里みたいな護ってあげたい感じが強い子の方が、ってのはありますけれど、どのルートでも当然のように活躍してきますし印象深いキャラではありました。

 ユーリエも一応腹に一物、という部分はありつつ、それでも本質的には善良でお節介で、見た目通りに朗らかで柔らかく、楚々とした姫君、ってイメージが色濃くて可愛かったですね。
 クローデットもそれとはベクトルの違う、ナチュラルに高飛車だけどそれが愛嬌になっているお姫様ってところで、一心に慕ってきつつ、でも水面下で手練手管を駆使するあたりのしたたかさも含めていい味を出していました。

 後は本当に、ノアや雪那、エリスあたりのロリっ子軍団とイチャエロする展開があればなぁー(しつこい)。
 まぁ構造上、特に後者二人は出会いのタイミング的にも難しいとは思いますが、ノアはその後のアフター的なイチャエロがあってもいいと思うの。。。
 そして会長は最後まで胡散臭いままで面白かったですね。


CG(16/20)

★全体評価

 これはこれで光るものがある、とは思うのですが、本質的な絵柄のイメージや出来としてはあまり好みでもなく評価もしづらく、質はともかく量の面でももう一歩なのでここまでかな、というところです。

★立ち絵

 ポーズはヒロインで2種、サブで1種に腕差分など、という感じで、そこまで多くはないですが、一応それぞれの個性・性格が明瞭に反映されたものにはなっていて可愛いと思います。
 特に悠里の横向きと、ユーリエの頬手当、雪那正面が好きですかね。

 服飾はヒロインで2〜3種類と、必要最低限という感じなのはちょっと残念なところ。せめて水着の立ち絵くらいは実装しておくれ、と思ったね。
 お気に入りは悠里制服、私服、ユーリエ制服、亜梨栖私服ってとこでしょうか。

 表情差分もそれなりに遊びもあって幅は広いものの、そこまで質も量的にも、というのはあるし、こちらも個性に合わせていて画一化していないのだけはいい点ですけどね。
 お気に入りは悠里笑顔、苦笑、照れ焦り、不満、亜梨栖笑顔、怒り、ユーリエキラキラ、睨み、クローデット得意げ、ノア笑顔あたりでしょうか。

★1枚絵

 通常が70枚、SDが14枚で計84枚ですね。
 流石に若干通常絵が少なめかなぁ、とは思いますし、全体の質もある程度安定はしていますが実に綺麗、とまでは言えず、この絵柄ならではの独特の味わいはあっても、という所ですね。
 ただこれ、SDがすごく愛らしいのはあって、色々なSD絵もありますけど歴代でもトップクラスにここは好きかも、ってくらいです。特に悠里が可愛くて可愛くて。。。


BGM(20/20)

★全体評価

 この作品の白眉と言えるのは実は音楽面ではないかと思っていて、本当にボーカル、BGMともに荘厳で神秘的で奥行きのある素晴らしいものが用意されています。
 量的にも水準には達していますし、本当にBGMが素晴らしい出来なので、少し甘いかもしれないですけど満点をつけちゃいました。

★ボーカル曲

 全部で2曲。
 OPの『運命の刻』は、出だしの神秘的なコーラスからの、しっとりした雰囲気でのAメロ、そこから徐々に盛り上がっていく流れも含めて曲としての総合的な完成度が高く、ボーカルの声質ともマッチしてかなりいい曲ですね。サビの後半が特に好きです。

 挿入歌の『Coin』も、非常に透明感と抒情感溢れる、グランドエピローグを彩るに相応しい壮麗なスローバラードで、Bメロ後半からサビにかけての伸びやかさは本当に心に染み入るような旋律で素晴らしいと思いますね。

★BGM

 全部で30曲と量的にも水準はクリアしていて、そして基本的にどれもが重厚なイメージの弦楽器をベースに置いての、じっくりゆったり丹念に聴かせるイメージの曲ばかりで、この閉塞的な印象もある島の土壌、その中で気高く歩むヒロイン達の在り方にピッタリマッチしてくる見事な出来だったと思います。

 特にお気に入りは『凛然とした横顔』『親愛をあなたに』『艶色』『最後に残されたもの』『乗り越えた先に』『折れない心と、断てない絆』『蒼海のエデン』あたり、どれも素晴らしい出来でしたね。というか、Hシーンにこの艶色はあでやかにすぎないか、と思ったりも。。。


システム(8/10)

★演出

 目立っていいところもなかったですが、一応立ち絵も最低限は動くし、バトルシーンの演出も派手さはないもののそこそこ、重要なシーンでの情感演出もしっかり出来ていて、水準には達している出来だと思います。
 ムービーも作風に噛み合った色使いと、幽玄の気配を強く漂わせていて完成度は高いですし、悪くはないですね。

★システム

 やっぱりフローチャートは便利だなぁ、ってのはありますね。今回はチャートからショートカットも容易い、という事で基本セーブ要らずでもありますし。
 それ以外の部分も必要最低限は完備していますし、特にこれといって言及するところもなかったです、というかそろそろこの項目って必要なのかな、あまりに酷いシステムとか、逆に飛び抜けてすごいシステムって滅多に見かけなくなってきたし。。。


総合(84/100)

 総プレイ時間20時間。共通が2+2分岐後分も含めて4時間ちょい、個別もそれぞれ関連のフラグメントまで含めて4時間弱くらいで、後はノーマル分岐とか選択肢回収などでちょいちょいと、というイメージですね。
 それなり以上に個別はしっかり尺を割いて、怪奇譚とイチャラブをバランス良く並列させて楽しませてくれますし、シナリオもやや駆け足な部分はあるにせよ、大元の設定を踏まえてしまえば理解は出来るので悪くはないでしょう。
 ただ一方で、図抜けて素晴らしいと言えるほどのシナリオ、特に亜梨栖は立ち位置的にもそうなって不思議ないのに、という点でやや不満はありますし、ヒロインもボイン専任なのでそこも好き嫌いは出てくるかなと思います。

 手放しでほめられるのはやはり音楽面ですが、そこをメインに買うって人も少ないでしょうし、私個人としてはそれなりに満足できた内容ですけれど、いざ人様にお勧めできる汎用性の高さはあるか、といわれると多少微妙かもしれません。
 少なくともノア目当てだとガッカリしますし(笑)、ただ一人でもお気に入りのヒロインがいるなら損はしないんじゃないかな、とは思いますかね。
posted by クローバー at 04:48| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月10日

境界線はいずこに

 ノラととはノブチナルートをクリアです。
 昨日はああ書いたけど、いざ恋人になってからもイチャイチャは最低限というか、二段構えでの家族の物語、友情の物語の側面の方が強かった感じですねぇ。
 正直最後の展開に向けてのお節介が、恋人になったから、という特別感を醸したいイベントなのはわかるけど、でも仮にそうでなくてもその事実を知ったら君ら首突っ込むんじゃない?って感じは結構あるので、あくまでも理由づけのひとつくらいに矮小化されているのがいかにも、って気はするし、とにかくこのルートは直球で情念に訴えてきているというか。
 比較的ここまではシリーズ通して、諧謔の中に皮肉めいたスタンスでそういうメッセージ性や哲学性を紛れ込ませていて、そこに味わいを醸していた印象はあるので、ここまでストレートになる時に、それを鼻につく、と感じる向きもなくはないかもなぁ、とは思いつつ、やはりこういう話はいいものです。

 それに、そういう命の成り立ちというか、家族のありようを、パトの好奇心・探求心の充足と並行して語っていく方法論は斬新で面白かったですし、わかりやすい形で補助線を引いてきているので、その辺も構成としては評価したいところですね。
 まぁ強いて言えばもうちょいイチャエロさせろや、ってのはあるけれど。普通にこの子のHシーン超可愛いしねぇ、ビックリビックリ。
 次はアイリスで、かなり短いだろうけどパトは一応最後に取っておく方向で考えております。

 メイキングラバーズはマスターアップですね。
 11月はこれとアオイトリの厳選2本で行く事にほぼ決めたので、順調なのは有難い事です。
posted by クローバー at 17:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月09日

全然よーならんで

 うん、サンクチュアリの感想を書きたいのは山々でしたが、順調に風邪は悪化するばかりで今日もダメダメでした。
 一先ず7割方書き上げていた創作の方はなんとか完成に漕ぎ着けられたものの、そこから感想まで辿り着く体力も気力もありませんで、ほんに情けない限りです。治り次第最優先で書きます、つーかいい加減内容忘れちゃうし。。。

 ともあれ半死半生の中でノラととは少しずつ進めて、ルーシア、シャチ、未知をクリアして今ノブチナの途中くらいですね。
 ルーシアはまぁ、いい感じに冥界側の感性をしっかり裏打ちした上での家族愛を引き出していて、非常に丹念かつ重みのある話にはなっていたなーと思います。
 少し話が先走るけれど、ノブチナルートといい、本編の未知やユウキルートで、友情や絆と対比的に打ち出して、どこか置き去りにしてしまった部分を補完しているというか、その辺やっぱり批判諸々あったのかなー、て感じの丁寧なフォローぶりには感じるし、私としても当然こういう大団円的な方が有難いのは確かですね。

 ただアレだ、とにかくルーシアさんは愛が重すぎる。。。
 付き合って結ばれるまでの長さが中々に常軌を逸していた(褒めてます)のですけど、一旦その線を超えてしまってからの拘りというか、束縛感は、確かにキャラ性には裏打ちされていて納得は出来るのだけど、じゃあそれが好ましいか、といわれると人それぞれとしか言えん、って感じ。
 流石のパトまでその内食傷気味になってるのが笑えたと言えばそうだし、ホント大活躍で楽しかったのはありますが、そういう周りの茶化しや囃しで中和できる範疇を逸脱して重くない?って感覚は無きにしも非ずですかねぇ。まあ話としてはユウラシアよりは断然面白かったとは言えますが。

 シャチと未知は、やっぱり既存ヒロインの蔑ろ感、って感じで非常にサラッと。
 なんか下手するとパトもこの程度の扱い?って感じもしてきたし、まぁどのルートでもパトは基本的に主役を食う勢いでの大活躍はしてるからいいっちゃいいんですけどもねぇ。

 ノブチナルートは今のところ素晴らしく面白いです。
 これも上で触れた通り、愛着を上手く育めなかった子供と親の物語、という面が強く、それに上手くパト達冥界キャラの思惑と、仲間内での確かな絆の全てを有機的に絡み合わせて、今までのどのルートよりもいいとこ取りで綺麗にまとめてきてるなー、って感じはあります。
 もちこのルートでだけヤクザ抗争が勃発する意味付けは皆無なのですけれども、その辺はもうスルーしていいやと思ってるし、その渦中で少しずつ剥ぎ取られていくノブチナの心の深い部分の傷や叫び、我慢の重さがヒシヒシと伝わってきて、文化祭ラストのシーンは見事な情緒の紡ぎ方でもあり心に響きましたねぇ。

 正直ここまでの流れで、ここから恋愛譚になるのか?って感じもあったけど、ある意味それを乗り越えて価値観の物差しが変貌したが故の、ってのもあるだろうし、どちらにせよルーシア同様、そういう事をしなきゃノラの呪いは解けないぜ、ってお約束もあるからなぁ、と微笑ましく思いつつ、どうあれ仲間内でも変わっていくものはある、それでも、という括り方は、敢えて主人公達だけを絶対視しない部分も含めて繊細だと思います。
 基本的に後はイチャラブだけ、とは思うのだけど、この人はヒロインっぽくない雰囲気のキャラをきちんとヒロインさせるのは上手いなぁ、とルーシアでも感じたし、先が楽しみですね。

 恋愛事情更新、つかどうして余力全然ないのに話だけは無闇に長くなってしまうのか…………?意地でもティータを出すのは私のジャスティス(笑)。
 
posted by クローバー at 18:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

閃の軌跡V外伝 戦う乙女の恋愛事情 サンディ#U

 こうして、憧れの貴方の背中を追いかけての二人旅をはじめてから、どのくらいの年月が過ぎたのだろうか?

 ――――おぉっ、見たまえサンディ君!あの秘境めいた森には、きっと豊富なお宝が隠されているに違いないよ!

サンディ
「えーっ、そ、その、あそこに足を踏み入れるつもりですかぁ?今は食糧事情も逼迫してませんし、君子危うきに近寄らずで行くべきでは…………?」

 ――――ノンノンノン、それはそれ、これはこれさ。冒険家たるもの、常に好奇心のアンテナを最大限に張り詰めていないと。

 見るからにおどろおどろしい光景に尻ごむ私に対し、いかにも太平楽な笑貌と芝居がかった仕草で、その心得違いを優しく諭してくる。
 以前にも、旅を始めてからも、命冥加に尽きる、という経験は飽きるほど繰り返しているだろうに、それでも神秘を前にした瞳の輝きはいつも純真なまま、曇ることを知らない。

サンディ
「わ、わかりましたよ…………どうせこうと決めたら、私の意見なんて耳を傾けてくれないんですし…………。で、でもっ、本当に危なそうだったらすぐ引き返しましょうね!ねっ!」

 ――――はっはっは、なんだかんだ文句を言いつつ、きちんと付いてきてくれる君が好きだよ。

サンディ
「っっ、も、もぅっ、相変わらず調子のいい…………」

 そして結局、私はいつもまんまと言いくるめられて、その驥尾に附すことになるのだ。
 これも一種の、気心の知れた仲というのだろうか?
 そんな少しもやけた想いを抱えつつ、弾む足取りでズンズンと未知なる秘境に突き進んでいく背中を追いかけ――――。

サンディ
「…………わ、ぁ…………っ!こ、これ、って…………っ!?」

 その入り口の境界線を踏み越えた刹那、少しだけ世界が歪む感覚があって。
 微かな眩暈に一度目を閉じ、再び見開いた時には、目の前の光景は桃源郷もかくや、とばかりの幻想的なものに切り替わっていた。

 ――――いやはや、これは驚きだね。

サンディ
「そ、そんな全然動じてなさそうな声で言わないでくださいよっ!え、えっと、もしかしてさっきのって、結界かなんかだったんでしょうか?」

 ――――そうだろうね。どうやらこの地はサンクチュアリなのだろう。

 神々の手による聖域――――なぜそんなものがこんな場所にあるのか、その根源的な疑問は、目の前に広がる美しい光景に洗い流されていく。

 天から差し込む陽光に淡く煌く木花。
 爽やかに吹き抜ける風に揺れる木の葉ずれのかそけさ。
 控えめに澄み切った音色を奏でる、小鳥達の囀り。

 正に楽園の如き様相に、私は当初の警戒心をまるっと置き忘れて、きょろきょろとあたりを見渡し、その見慣れない植生に触れていく。

サンディ
「…………すごい、こんな植物、今まで見たことがありませんよっ!こっちの花も、どんな図鑑にも載っていない新種に違いありませんっ!あぁ、しかもこんなに綺麗だなんて…………」

 ――――はっはっは、いきなり研究熱心だね。

サンディ
「だってこれ、正規の大発見かもしれませんよっ!この知見を発表したら、私達の名も史書に残るかもっ!」

 ――――うーん、今更そういう形で有名になろうとは思わないがねぇ。

サンディ
「そ、その気持ちはわからないでもないですけど…………でもですよっ、これだけの神秘の前に、太平の逸民を気取っているのはむしろ不誠実じゃありませんかっ!?世の為人の為に筆を執るのも、冒険家の立派なお仕事だと思いますっ!」

 私がずっと、貴方に内緒で著し続けている冒険日誌。
 この場所の発見は、その著述の白眉となる、そんな確信が語気を強めさせるけれど、ただ貴方は苦笑いを浮かべるだけで。
 そういう反応を見るたびに、貴方が求める平穏を護りたい気持ちと、その影で為した偉業の素晴らしさを喧伝したい気持ちが鬩ぎ合い、胸がぎゅうっと締め付けられる。

サンディ
「あっ、見てくださいあれっ!あれも見た事ない綺麗な実ですよっ!もしかして口にしたら、天にも昇るような極上の甘露かもしれませんっ!」

 ―――はっはっは、いつもながら食べ物に関しては殊更に目聡いね。

サンディ
「い、いいじゃないですかぁっ、私、料理大好きなんですし…………それにこんな辺境ばかりを彷徨う旅の中では、貴方に本当に美味しいものを食べてもらえるチャンスも少ないんですからっ!」

 ――――うんうん、そんな風にいつも僕の健康に留意してくれて、本当に感謝しているよ。

 本当にそう思うなら、もう少しくらいは名のある街に立ち寄る機会を増やして欲しい、なんてこともチラッと考えるけれど。
 それでもまだ、かつてのほとぼりが冷めやらぬ中で、不用意に貴方が世間の前に顔をさらすのが得策ではない事は身に染みているから。
 その渦中において、貴方を一人にしない為に、こうして私がついてきているのだから、と思えば、誇りと歯痒さが同時に沸き立って胸をかきむしっていく。

サンディ
「…………あっ、向こうに綺麗な泉がありますよっ!折角ですから喉を潤していきましょうっ!」

 ――――確かに、水場も久しぶりだね。なんなら水浴びをしてくれても構わないんだよ?

サンディ
「えぇっ、こ、こんな拓けた場所ではちょっと…………っ、も、もぅっ、えっちですよぉっ!」

 ――――おやおや、ひょっとして覗いて欲しいのかい?

サンディ
「そ、そんなわけ…………っ!ほらっ、馬鹿言ってないで早く早くっ!」

 こんな場所で水浴びをするなど、それこそ女神の遣いの様な荘厳な存在にこそ相応しい――――翻っての自分の野暮ったさやみすぼらしさを思えば、どこか卑屈な自分が顔を覗かせてしまう。

 だって、かなり長く寝食を共にしていながら、その褥に誘われた事は未だ、ない。
 その一時を取っても、自分に女としての魅力が足りない事を痛感させられるし、それは最初から割り切っているつもりでもあった。
 それでももしかしたら、なんて淡い期待を覚えずにはいられなくて、なのに貴方ときたらいつも、からかいの中に本音を紛れ込ませて、その真意を有耶無耶にけぶらせてしまう。

 本当にこの場で一糸纏わぬ姿になってみせたら、いったいどんな反応を見せてくれるのだろう?
 そんな夢想を実行するだけの勇気もなく、そんな浮ついた気持ちの残滓を洗い流すように私は水際に膝をつき、両手で清らかな水を掬い上げて静かに口をつけ――――。

サンディ
「…………うわぁ、すんごく美味しい。余計な濁りが一切なくて、そのまま身体中に行き渡っていくみたい…………!」

 見た目以上の味わいに、感嘆の声が漏れる。
 思わずもう一口含んで、味わうように舌の上で転がせば、ほんのりとした甘みすら感じるくらい、天然の滋味に満ちた豊潤さが溢れ出てくる。
 喉越しは涼やかに感じるのに、身体の中に入ってくると不思議とほんのり温かく、身体の芯がじわぁっと熱を帯びていく様は、えも言えぬ陶酔感を伴っていて。

 あぁ、はやくこれを貴方にも味わってもらいたい、そう思って振り返りかけると、水辺の傍に生えている一本の樹の根元が視界に入ってきて――――。

サンディ
「えっ!?こっ、これってまさか…………っ!」

 ――――おや、どうかしたかい?

サンディ
「どうかしたか、じゃありませんよっ!ほらっこの根元、ここに生えてるのムーントリュフに違いありませんっ!うわぁっ、こんなところで幻の食材にお目にかかれるなんて…………っ!」

 その名の通り、陽の光を浴びて月の如く白々と輝く様は、文献にある通りで見間違えようもない。
 そしてこれは、私の旅の大きな目的のひとつでもあった。

サンディ
「(…………あれ、でもなんでこれを探してたんだっけ?確か大切な人に、その人を笑顔にするための何かを饗したいと思って…………?まぁいっか、採取採取♪)」

 ふと過ぎる疑問を拭い去って、樹の根元ににじり寄る。
 そして、慎重な手つきでムーントリュフを採り上げた瞬間――――。

サンディ
「きゃあぁっ!?って、えっ?あ、あれぇっ!?」

 ――――サンディ君っ!!

 気が付いた時には、私の四肢に不思議な蔦が絡みついて、うつ伏せの格好で宙づりにされていた。
 貴方は珍しく切羽詰まった声で私の名を呼び、懐から愛用の銃を取り出して、その蔦を絶ち切るべく四発、正確な射撃をより高い位置から伸びている蔦の根元付近に撃ち込む。

 けれど――――。

サンディ
「やっ、やぁぁっ!?離して、離してぇっ!!」

 ――――くっ、手応えがない…………っ!さてはこいつは伝説の、幻覚で人を惑わせ、精気を奪い取る食人植物なのではっ!?

サンディ
「そっ、そんなのがなんでこんなところに…………っ!?も、もしかして私達ずっと、この森に入った時から惑わされていたんですかぁっ!?」

 ――――かもしれん。先程も確かに命中したはずの銃弾がすり抜けた。今も幻覚で擬態を施しているに違いないよ。

 貴方ほどの人が現状に手を拱いている――――その事実に、ドッと背筋に冷や汗が溢れる。
 食人、と言うからには、このまま私は本体の元へ引きずり込まれて、その餌食となってしまうのだろうか?

 そんなのは御免だと必死に身を捩るも、どこにも支えを持たない私の手足には力が宿らず、頼りなく中空でもがくばかりで。
 そしてその抵抗を邪魔だと感じたのか――――。

サンディ
「うくぅっ!?あぁっ、やぁっ!?そっ、そんなにそり返されたら痛い…………っ、それにぃっ、なんか熱い、手足が熱いよぉっ!!」

 ――――むぅっ、これは…………っ、酸性の蒸気で衣服を溶かしているのかっ!

サンディ
「えぇぇっ!?やっ、やだぁっ、見ないでぇっ!!そっ、それにこれって、このまま私も溶かされちゃうんじゃ…………っ!!」

 ――――いいや、伝承が正しければ、この植物が欲するのは人の精気、それも性的興奮を伴うフェロモンが大好物のはずだっ!

サンディ
「は、はぁっ!?それ、じゃあこれ…………んんっ!?あぅっ、はぁっ、なっ、なにこれぇっ、身体が、ジンジンしてきて…………っ!?」

 先程までは痛みの方が大きいくらいの熱さに感じていたものが、肌を剥き出しにされ、直接浴びせられる事で、なんとも言えない痺れへと変換されていく。
 それに呼応するように、お腹の奥からカァッと甘美な熱が込み上がってきて――――。

サンディ
「んぁっ、はぁ…………っ、な、ん…………っ、なのっ、熱いっ、お腹が熱いよぉ…………っ!!あぁっ、なのにこれ、これぇっ、頭、痺れてっ、外と中から、いっしょに気持ちいいのが溢れてぇっ!!」

 ――――そうか、先程サンディ君が口に含んだ水にも、その植物の酸の成分が含まれていたのかっ!

サンディ
「れっ、冷静に分析してないで助けてください、よぉっ!!あぁっいやぁっ、こんなとこで私っ、こんなあられもない姿になんてぇ…………っ!!」

 着々と酸の蒸気が私の全身を蚕食していき、冒険の為に手足の先までしっかりガードされた頑丈な服も、もはやほとんど衣服の体を果たしていない。
 むしろ身動ぎすればスルッと抜け落ちてしまいそうで、羞恥と恐怖が綯い交ぜになって押し寄せる。

 それにあぁ、この格好のままじゃ、私の大事なところまでが貴方に丸見えになってしまう――――。

サンディ
「いやっ、いやぁぁっ!!!こんなっ、こんな形で全てを見られちゃう…………っ!!貴方の目の前で、嬲りものにされちゃう…………っ!!うくっ、やだ、よぉっ、こんなのって、ないよ…………っ!!」

 ――――わかった。なら僕も、覚悟を決めよう。

サンディ
「え…………っ!!ここから助かる手段が、あるんですか…………っ!?」

 ――――いいや、それは無理だ。けれどこいつは、性的なフェロモンを獲得できれば満足してくれる筈だよ。

サンディ
「ふぇ…………っ!そ、それって…………っ?」

 ――――ならせめて、僕の手で君を気持ちよくさせてあげよう。それでは、不服かい?

サンディ
「〜〜〜っっっ!?」

 不服、だなんて言えるはずもなかった。
 だってそれは、ずっと心の片隅で待ち望んでいた行為。
 こんな状況下で、必要に迫られて結ばれる事に不本意さはあれど、それでも得体の知れない植物に為すがまま凌辱されるよりは断然マシだ。

 そして、私の含羞に満ちた絶句を肯定と受け取ったか、貴方はスッと身体を寄せ、ギリギリ下肢をガードしていたズボンの残骸を無造作に払い落として――――。

サンディ
「う、ぁぁ…………っ、見られ、ちゃってるっ、私の一番、はしたない部分が…………っ!」

 ――――そんな謙遜するものでもない。とても、綺麗さ。それにほら、もう蜜を湛えて、潤んでる。

サンディ
「それ、はぁっ、こ、この変な植物のせいで…………っ、けっ、決して私が淫蕩なわけじゃ…………ひゃあぁぁんっ!?!?」

 一撫で。
 敏感なところを軽く指で擦られただけで、全身に電流が走り、甲高い喘ぎ声を漏らしてしまう。

 ――――フフ、素晴らしい感度だね。強く弄ったら、すぐに達してしまいそうだ。

サンディ
「うそ、ぉ…………っ、わっ、私の身体、こんなに、敏感…………にぃ…………っ!いやぁ…………っ、は、恥ずかしい、よぉ…………っ!」

 ――――気に病む事はない、全てこれは幻のようなものさ。それにその快感を受け入れてしまった方が早く解放されるんだ、だから…………。

サンディ
「んっ、はっ、あぁぁぁっ!!す、ご…………っ、そこ、ダメぇっ、あぁっ、そんな指遣い、んんっ、上手過ぎてぇ…………っ、はくっ、んぁっ、ひゃあぁっ!!蕩、けるぅっ、私、蕩け…………ちゃうぅっ…………!!」

 ちゅぷっ、ちゅぷっ、と、わざと私の羞恥を煽るような水音を奏でながら、貴方の指が自在に動き回って、秘孔の浅い部分を丹念に捏ね回す。
 その繊細な優しさに益々情感が高ぶり、私は随喜の涙に咽びながら、その痛烈な快美に堪え切れず身体を揺らす。
 すると残りの衣服も滑り落ちてしまって、先程妄想した事が実現したかのように、一糸纏わぬ姿をさらす事になってしまって――――。

サンディ
「あっ、うぁぁ…………っ、見ちゃ、やぁ…………っ、私の身体、貧相、だか、ら…………っ、ダメ、んんっ、そんな視線を向けられたら、それっ、んんっ、それだけでぇ…………っ、火照る、身体が火照ってたまらなく、なる…………っ!!」

 ――――何を言う、実に健康的で瑞々しい身体じゃないか。ほら、ここもしっかり張りがあって、すべすべで…………。

サンディ
「あくぅっ!?やっ、んぁぁっ、胸までいっしょに、されたらぁ…………っ!!ダ、メぇ…………っ、あぁっ、乳首、敏感になり過ぎちゃってて…………っ、あぁっすごいっ、いいっ、気持ちいい…………っ、こんなの、はじめてぇ…………っ!!」

 悦楽の源泉を同時に責められ、私はもはや羞恥をかなぐり捨て、その愉悦の波に陥落して歔欷をまき散らす。
 すると、それまで楽器を操るように柔らかだった指の動きに少しばかり熱が籠って、いよいよ私を喜悦の頂上に押し上げるべく艶めかしく、リズミカルに蠢いて――――。

サンディ
「んくっ、はんっ、あぁっ、うぁぁ…………っ!!いゃぁぁそれすご、いぃ…………っ、そんなされ、たらっ、ムリ…………っ、もう、ダメぇぇ…………っ、飛ん、じゃうっ、気持ちいいのが、溢れ過ぎてっ、頭おかしく、なっちゃうぅ…………っ!あぁくるっ、きちゃうよぉ…………っ!!」

 ――――怖がらないで。その波に身を委ねていいんだ。大丈夫さ、僕はずっと君の傍にいる。

サンディ
「あぁ…………っ!なら、離さないでぇ…………っ、ギュッて私を、抱きしめて…………っ、んんっ、はぁ…………っ、貴方の温もり、気持ちいいの…………っ、あぁダメっ、もっ、ガマン、できない、の…………っ!くる、おっきいの、くる…………っ、んぁっ、ん、あ、ぁ、ぁ――――あぁぁあぁぁぁぁっっ!!!」

 その圧倒的な存在感がもたらす幸福感に包まれながら、私は呆気なく絶頂に至った。

 随喜に震える身体を労るように、貴方の手が優しく全身を撫で回していく。
 そんな慈しみの度合いが強い触れられ方でも、昇りつめた直後で全身が性感帯になっている私には、蕩けるような愉悦を余韻のように与えてくれるもので、陶酔感に酔い痴れながらただひたすらにその悦びを甘受する。

サンディ
「あ…………ぁ…………っ、すご、かった、…………ぁ…………っ、こんな、気持ちいい、の、知ら、ない…………っ」

 ――――そう言ってもらえるなら、男冥利に尽きるというものだよ。だけど、まだこちらは満足してくれないようだね。

サンディ
「あ…………ぅ、うぅん…………や、やだまた、ぁ…………っ、カラダ、ムズムズする…………っ、あぁ、そん、なぁ…………っ」

 忌々し気に、私の手足を縛りつけたままの蔦を指先で弾く。
 不思議な事に、そうやって直接触れる分にはそれはしっかり実体を伴っているようで、その刺激に反応し、もっともっととせがむように、媚薬の効果が混じった霧を断続的に吐き出してくる。

 それは皮膚からも、更には秘孔や口腔などの至る箇所から潜り込んで私の性感を揺さぶり、否応なくはしたない熱をもたらしていくのだ――――。

サンディ
「お、おねがい…………っ、このままじゃわたし、おさまりが、つかないの…………っ!もっともっと、して欲しい…………っ、貴方と繋がりたい、って、畏れ多い事をどうしても考えちゃう、の…………っ!あぁ、ごめんなさい、分知らずの、はしたない女でごめん、なさいぃ…………っ!」

 ――――謝ることなんて、なにひとつない。君の想いは、しかと受け取ったよ。

 私の懺悔をあやすように頬を一撫でしてから、貴方は私の背後、浅ましく広げられた両脚の間に身体を潜り込ませていく。
 私の位置からではその様子は伺えないけれど、でもその気配から何をしようとしてくれているかは瞭然で、その期待感と背徳感に、胎の奥から熱い愛蜜が滾々と分泌されるのがわかってしまう。

 ――――いいかい?

サンディ
「っっ、はい、はい…………っ!そのまま、わたしの膣中に来て…………っ!貴方の立派なモノで、わたしのこの疼きを治めて欲しい…………っ!んっ、くぅ…………っ、あ、はぁぁぁっっっ!!」

 媚薬に神経を蚕食されているからか、話に聞く初めての痛みなどはほとんどなかった。
 太い肉の杭が、水平に真っ直ぐ私の身体を貫いて、ほとんど抵抗なく深奥まで到達する。
 最初に感じた異物感は、その女の源泉に触れられた幸福感に上塗りされて、驚くほどすぐにその大きさに馴染んでいく――――。

サンディ
「んぁ、あぁぁっ!!す、ごいよぅ…………っ、貴方の熱いモノが、ゆっくり、出たり、入ったりするの、わかって…………っ、あぁっ、そのたんびに、わたしの膣中もぐねぐね、って、受け入れる為に形が変わってぇ…………っ!!」

 ――――痛みは、ないようだね。ならばもう少し、激しくしていくよ。

サンディ
「は、はいっ、存分に、わたしのカラダで気持ちよくなって…………っ!!うくっ、んぁっ、あはぁっ!!あぁそれっ、奥までズン、ってされるの、すごい…………っ、意識の全部が、快感で吹き飛ばされそうに、なるぅ…………っ!!もっと、もっとしてぇっ、強く、激しく突いてぇっ!!」

 ゴツン、ゴツンと、大きく膨らんだ笠の部分が子宮の入り口を打ち付けるたび、脳裏に七色の光が迸って、強烈な快美に視界が霞んでいく。
 はじめてなのに、こんな――――そんな恥じらいは刹那に消し去られて、ただただ私は快感を浴びて咽び泣く牝となり、未だ自由にならない四肢をばたつかせて、あまりにも早い高まりに辛うじての抵抗を繰り返すも――――。

サンディ
「うぁっ、はっ、あきゃぁっ!!!つよっ、うぁっ、それダメぇっ、そこばっか、強く、されたら、ぁ…………っ、待ってぇっ、そこ弱いのっ、気持ち良過ぎるのぉっ、あぁっ、あぁぁっ、こんな、これ、これが男女の交わり…………っ、ダメ、何も考えられっ、んぁっ、はぁぁぁっっっ!!!」

 ――――心のまま、気持ち良くなってくれたまえ。そら、更に速くするよっ!

サンディ
「んぁぁぁっ!!あっダメダメぇっ、これ以上なんてっ、たっ、耐えられないよぉっ!!さっきのっ、またきちゃうっ、今度はお腹の中から、おっきいの、ぐわん、ぐわんってぇっ!!ひぁっ、くぅっ、きゃうぅ…………っ、ダッメぇ…………っ、そんな奥ばっかり、されたらぁっ、わたし、わたし絶対にムリっ、すぐ、すぐにぃっ!!」

 そんな哀願にも聞く耳持たず、とばかりに、がっしりと後ろからウェストを掴まれてのピストンは激しく、それでいて巧みさを増していくばかりで。
 一時も息つく暇を与えられないまま、私は為すすべなく絶頂への階梯を三段飛ばしで駆け上がっていく――――。

サンディ
「んぁあっ、ひぁぁぁっっっ!!もっ、ムリぃ…………っ、もうダメ、もうダメっ、わたしイッちゃうっ、すごいのきちゃうっ!!あぁっ、いやぁっ、奥すごいぃっ、太くて、逞しくてっ、あぁぁイクぅぅ…………っ、こんな、こんなのって、はぁぁっ、あっ、くぅっ、ひぁっ、あ、あ、ぁ、ぁ…………んぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」

 先程よりも数倍、或いは数十倍にも感じる快楽の爆発。
 身体の深いところからもたらされる絶頂は、外側からの刺激による、浅いところに留まっていたそれとはまた別物の究極的な法悦をもたらしてくる。

 全身が炙られたスルメのように反り返り、喉奥からは随喜の叫びが間断なく漏れ出て、長く、長く続く喜悦に翻弄され続け――――。

サンディ
「ん…………っ、ぁ、はぁ…………っ、きゃあっ!?」

 ――――おおっと!?

 その余韻に浸り切っている最中、突然私の四肢が拘束から解き放たれる。
 バランスを崩し、顔から地面に落ちそうになるのを、咄嗟に貴方が支えてくれて、それで勢いが減衰した分、なんとか手を先について態勢を整えるのが間に合った。

サンディ
「…………あ、れ…………、これ、って、あの蔦に、満足してもらえた、って…………こと、なの…………」

 ――――ふむ、いみじくもそうらしいね。余程サンディ君の発する精気が好ましかったようだ。

サンディ
「や、やだぁっ、そんな、恥ずかしい…………っ!そ、それにあんな一方的に押し上げられてっ、痴女みたいに乱れまくって…………っ、あぁぁ、私ってば…………っ!」

 ――――そんなに恥じらうこともなかろう。君は立派に役目を果たしたのだよ。さて、では…………。

サンディ
「っっ、まっ、待ってぇっ!!」

 それはもはや、女としての脊髄反射だった。
 このまま抜かれてしまったら、もう二度と戻ってきてくれない――――そんな危機感と寂寥感が、咄嗟に膣を締め付けて、貴方の依然逞しいままの逸物を逃すのを、良しとしなかった。

 ――――う…………っ、サンディ君、君は…………っ。

サンディ
「どうして、どうしてそこまで紳士でいようとするんですかっ!だってまだ、貴方は気持ちよく、なってくれてないですよねっ!私言いましたっ、この身体を存分に使って、貴方にもそうなって欲しい、って!!」

 ――――だがあれは、薬効成分に浮かされてのものではなかったのかい?

サンディ
「そんなわけ…………っ、ないじゃないですかぁっ!貴方だから、他ならぬ貴方だからこそ許したんですっ!大好きな貴方になら、何をされても構わないってっ、あぁっ、こんな気持ち、ずっと口にするつもりなかったのにっ、もうっ、なんでこんな…………っ!!」

 様々な気持ちが怒涛のように押し寄せて、半ば混乱しながらも、私は必死に想いを言の葉に乗せていく。

 私では、貴方の重荷を分かち合うのに分不相応かもしれない。
 貴方の横に並び立つのに、相応しくないかもしれない。

 普段ならそういう想いが表に出て気弱になり、心底の熱情を披瀝する事なんて出来なかったろう。
 けれど今、一対の男と女として繋がっている今だけは、それを口にする事が許されるような気がした。
 それこそ、身体で男を繋ぎ止める浅ましい女なのかもしれないけれど、例えそうでも、そのきっかけが貴方が抱える大きな壁に少しでも罅を入れる契機になるなら、と――――。

サンディ
「っっ、好き、なんですよぅ…………っ!どうしようもなく貴方が大好きで、それでこんな所にまで付いてきて…………っ、せめても、この幻の中でくらい愛してもらいたいって、そんなのは狡い事ですか…………っ!?貴方にとって私は、そんなささやかな夢すら叶えるに値しない、ちっぽけな存在ですかぁ…………っ!!」

 ――――済まなかった。つい諧謔に逃げてしまうのは、僕の悪い癖だったね。

サンディ
「え…………っ、きゃあぁっ!!んっ、んぅぅぅっっっ!!!」

 いきなり、四つん這いの格好からぐるりと身体を半回転させられる。
 その際に、未だ繋がったままの密壺に今までにない角度での刺激が突如加わり、未だ絶頂の余韻と薬の影響冷めやらぬ私は堪え切れず、再び軽く達してしまう。

サンディ
「ん…………っ、はぁ…………っ、はぁっ、なっ、なに、を…………っ…………あ…………っ!?」

 明滅する視界がクリアになった時、目の前に貴方の温かな微笑みがあった。
 貴方は見かけとは裏腹の膂力で、私の身体を真正面から抱え上げ、有無を言わさず木陰まで運んでいき、大きな樹の幹に私の背中を預けさせる。

サンディ
「え、と…………っ、その、これ、って…………っ」

 ――――きちんと愛し合うならば、顔が見えない格好では無粋だろう?といって、君を地に寝かせるのも気が引けるからね。

サンディ
「そ、それははいっ、うっ、嬉しいです、けどっ、で、でもこれ、こんなんむぅっ!?」

 もうこれ以上四の五の言わせない――――そんな思いを籠めての口づけが注がれる。

 生まれて初めての、口づけ。
 それはなんとも魔法じみた甘美さで、心が角砂糖のように溶けてしまうような悦びを運んでくる。
 やがて啄むような接触から、唇を割られて舌が伸びてくると、私からも懸命にそれに応えるようになって――――。

サンディ
「んちゅっ、れろっ、ぴちゅ…………っ、ん、はぁ…………っ、んっ、ちゅじゅっ、ぴちゃっ、れるぅっ、ちゅぅ…………っ!…………ん、ふぁ…………っ、あ、あぁ…………っ、す、ごい、こんな、こんなにキスって…………頭、ぐちゃぐちゃになるくらい、気持ちいい…………っ!」

 ――――随分と順序を違えてしまったからね。しっかりと、やり直しだよ。

サンディ
「そ、それ、って…………っ、ちゃんと、私を愛してくれる、って…………っ?」

 ――――覚悟を決めた、と言ったろう?僕にとってそれは、面倒に巻き込んででも君を娶る、という事と同義さ。

サンディ
「っっっ!?うれ、しぃ…………っ、やっと、やっとその言葉が聞けた…………っ、貴方の業を、分かち合ってもらえたぁ…………っ!!そ、そのっ、嘘じゃ、ないですよねっ、これ、夢なんかじゃないですよねぇっ!!」

 ――――嘘にしないためにも、こうして妹背の契りを交わそうとしているんだよ。

 貴方はそう力強く宣言すると、未だ繋がったままで、一途に刺激を待ち焦がれて熟れ切った密壺を勢いよく突き上げてきて。

サンディ
「んぁぁっ!!!あぁぁっ、いき、なりぃっ、そんな、はげし…………っ!!あぁっ、これさっきとっ、違う、とこにぃっ、強く、当たってぇ…………っ!!やっすごいっ、たく、まし…………っ、はぁっ、んくぅっ、気持ち、よすぎ…………ぃっ!!!」

 先程よりも更に情感の籠った、挿抜。
 ただ激しいだけでなく、緩急をつけて巧みに私の高ぶりをコントロールし、合間にキスや胸への愛撫も織り交ぜて、じわじわと私を幸福感と喜悦の坩堝に追い込んでいく。

 突き上げられるたびにギシギシと背中の樹が揺れて、はらはらと木の葉が舞うのが、この世のものではないような幻想感を演出し、私は腕を貴方の首に回し、両脚を腰に絡めて、その温もりを意識の結節点としながら、ひとつに溶け合うような快美に溺れ浸る。

サンディ
「あぁぁぁぁ…………、すごぉ、い…………っ、溶ける、わたしのカラダ、溶け、ちゃうぅ…………っ、好きな人、とっ、想いが通じての交わり、さっきとはぜんぜん違う…………っ!おかしい、のっ、こんなにゆっくりされても、わたし、わたしすぐにぃ…………っ!!あぁそこ素敵ぃっ、気持ちいい…………っ、もっと、もっとしてぇ…………っ!!」

 ――――こうかい?これが気持ちいいのかい?

サンディ
「うぁぁ…………っ、そ、そうなのぉっ、奥で円を描くようにされるの、すきぃ…………っ、ひぁぁっ!!んくっ、それ、もいぃっ、胸の先っぽ、ちゅうちゅうってされるの、痺れるっ、カラダ、痺れてぇ…………っ!!んっ、くぁっ、あっ、貴方、もっ、気持ち良く、なってくれてる…………っ!わたしの膣中、貴方を、悦ばせられてる、かなぁ…………っ!?」

 ――――無論だとも。瑞々しく締め付けて、ざわざわと蠢いて、もうたまらないよ。

サンディ
「よかっ、たぁ…………っ!そ、のぉっ、わた、しぃっ、もういつでも、合わせ、られるからぁ…………っ!もったいないけどっ、もっともっとしてたいけどっ、あぁごめんなさいっ、わたしもぅ、げん、かい…………っ、カラダ、言う事聞かないのっ、気持ち良過ぎて、もう、ダメになっちゃうのぉ…………っ!!」

 既に幾度も小さな絶頂を迎えていた私の身体に、いよいよ最大級の大きな波が押し寄せようとしていた。
 唇を噛み、髪を振り乱してなんとか逸らそうとしても、無慈悲なまでにその堤防を越えて、今にもわたしの意識全てを刈り取らんばかりに牙を研いでいる。

 せめてそうなる前に、貴方も――――そんな必死さが伝わったか、今までのひたすら私に尽くすような動きから、縦に大きな、男性が気持ちいいストロークに切り替えてくれて。
 けれど快楽の極致の蚕食を前に風前の灯火の私の身体には、もうどんな刺激でも堪え切れる道理なんてなくて――――。

サンディ
「ダ、メぇ…………っ、もうムリぃっ、わたし、ごめんなさいっ、もうイクっ、イッちゃいます…………っ!!あぁぁっ、おくつよいぃっ、ダメ、耐えられ、な…………っ、んぁぁくるっ、すごいのきちゃ、うぅっ、ダメっ、ダメぇっ、うぁぁイクぅっ、イクイクあぁダメっ、イッ、クぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!!!」

 強烈過ぎる波に飲み込まれながら、私は最後の力を振り絞って、絶頂の余波で収斂する膣を更に強く締め付ける。
 するとその健気な努力が実を結んだか、最奥まで挿し込まれた逞しいペニスがひときわ大きく膨れ上がり、ビクビクと震えて、凄まじい勢いで子種が噴き出し、一瞬で膣と子宮を白き熱が埋め尽くしていく――――。

サンディ
「うぁっ、あぁぁっ!!!出てるっ、わたしの、膣中、でぇ…………っ!!!んぁっ、あっついぃ…………っ、あぁそんなぁっ、何度も何度も、子宮の奥、叩かれたらぁっ!!!ダメっ、あぁいやぁっ、またイクっ、イクぅんぁぁぁぁっっっ!!!」

 長い長い、超新星の爆発もかくやの吐精の波に、私は何度も何度も高みに押し上げられ、喜悦の痙攣を繰り返しながら、必死に貴方の身体にしがみつく。
 触れ合った箇所から、互いの絶頂の快楽がエコーのように響き渡って、いつまでも鳴り止まない。

 ――――ありがとう。君は僕にとっての最高のパートナーだ。もうずっと、離したりはしないよ。

サンディ
「うれ、し…………っ、は、いぃ…………っ、いっ、しょ…………、ずっと、いっしょです、からぁ…………っ!」

 圧倒的な多幸感に包まれつつ、最後の力でそっと優しい口づけを交わし。
 それを潮に、私の意識はスゥッと闇に飲まれていって――――。

………………………………


……………………


…………


サンディ
「……………………………はっ!?」
ヴァレリー
「あ、起きた」

 目を覚ますと、目の前にヴァレリーの銀髪が揺れていた。

サンディ
「あ、あれ?ヴァレリー、どうしたの?」
ヴァレリー
「どうしたの、はこっちの台詞。普段は馬鹿みたいに早起きなサンディがまだ寝てるから、タチアナと二人でどうしたもんかって悩んでた」
サンディ
「えっ?ええっ!?」

 起き上がって、壁掛けの時計を窺うと、結構ギリギリな時間になっていた。
 勿論遅刻してしまうほどではないけれど、普段の私からすれば一時間以上は遅い。確かにこれでは二人に心配もされようというものだ。

タチアナ
「良かった、目を覚ましましたのね。サンディさんてば、珍しく魘されてらっしゃる様子でしたから、もしかして具合でも悪いのかと……………」
サンディ
「タチアナ、おはよう。…………うん、体調は平気。ただちょっと昨日、色々考えることがあって寝付けなかったから…………はぁ…………っ」
ヴァレリー
「そうなの?でもそうやって溜息を吐くのも珍しい。それに…………」
タチアナ
「えぇ、少しお顔が火照ってらっしゃるご様子。やはり自覚はなくとも、熱が出ているのではありませんか?」
サンディ
「あー…………うんそうかも。ちょっと顔、洗ってくるね」

 二人の前では出来るだけ平静を保ち、部屋の外にある共用の洗面台の前に立って、改めて自分の顔色を窺う。
 確かにその両頬は少し熱を帯びていて、寝汗によって額に張り付いた髪がなんとはなしに艶めかしく見えてしまうのも――――。

サンディ
「…………うわぁ、なんて夢、見ちゃったんだろ…………」

 確かに昨日、ティータから色々話を聞いて、それまで漠然とした憧れだった存在に、より具象的なイメージを抱いた、という事もある。
 それを含めて、私の想いがより複雑な方向に強化されたの間違いないのだろう。

サンディ
「とは言っても…………うーん、やっぱり私も年頃の乙女、って事なのかぁ…………」

 純粋な想いの発露と、一方でのそんな事は有り得ない、という諦観が、あんな荒唐無稽なシチュエーションの夢を紡いだに違いない、と思えば、我が事ながらいたたまれない。
 ただまぁ、見てしまったものは仕方がないし――――。

サンディ
「…………うん、良しとしましょう。なんだかんだ嬉しかったし、気持ち良くもあったし」
ティータ
「んぅ?なにが気持ち良かったの?」
サンディ
「わひゃっ!?」

 油断も隙も無い、というよりは、なんだかんだの動揺で私の注意力が散漫になり過ぎていたのだろう。
 振り返るとまだ寝間着姿のティータが、くりくりとした目を不思議そうにパチパチさせながら私の様子を窺っていた。

サンディ
「も、もー、脅かさないでよティータ」
ティータ
「えとえと、そんなつもりはなかったんだけど…………でも珍しいよね、こんな時間にここでサンディに出くわすの」
サンディ
「あぁうん、ほら、昨日色々話し込んだから、それで布団に入っても色々考えて寝付けなくって」
ティータ
「あはは、サンディもなんだ。わたしも今日は久しぶりに故郷の夢が見れてね、ついつい楽しくて二度寝しちゃった♪」
サンディ
「ふ、ふーん…………」

 苦笑しながらちろりと舌を出すティータは掛け値なしに可愛いのだけど、流石に今夢の話を深掘りされるのは避けたい。

ティータ
「うんっ、おかげで目覚めスッキリ、今日も一日頑張るぞーっ!ってなったんだけど…………サンディは違うの?気持ちいいって言うんだから悪い夢じゃなかったんだろうけど、ちょっと気怠そう」
サンディ
「あ、あははっ、そのあれだよっ、あちこち大冒険する夢を見てたから、楽しかったけど疲れちゃった、みたいな?」

 …………うん、決して嘘はついていない。

ティータ
「あーうん、あるよねそういう事っ!じゃあはいっ、その疲れをほぐしてあげるっ!」

 言うなりティータは私の後ろに回って、鏡越しに満面の笑みを向けながら肩揉みしてくれる。
 その疑いを知らない純真な瞳と、無垢な献身ぶりに少しだけ引け目を感じるものの、予想以上に身体が強張っていたのか、その奉仕は殊の外気持ちよく感じられて。

サンディ
「あー効くぅ…………っ、ティータってば、随分手慣れてるんだね」
ティータ
「あっうん、家にいた頃はよくおじいちゃんにしてあげてたからっ!」
サンディ
「ふぅーん、じゃああの、赤毛の遊撃士さんにもしてあげてるの?」
ティータ
「ううん、私はしてあげたいんだけど、いっつも遠慮されちゃって…………。大体アガットさんてばいつまでも――――」

 今度はわかりやすく唇を尖らせて不満げな顔に。
 本当にこの子はどこまでも真っ直ぐで、心根が綺麗だ。或いはその恋心が眩し過ぎて、向こうも容易には手を出せないのかもしれないな、なんてちょっと思う。

 でもこんな子でも、今朝の私みたいに劣情に苛まれる事もあるのかなぁ、なんて失礼なことを頭の片隅で考えつつ、時間が許すギリギリまで、その安らかな奉仕と愛らしい愚痴に付き合うのだった――――。
 
posted by クローバー at 09:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

美しきかな姉妹愛

 依然体調不良ながら、ノラとと2はちょいちょい進めて、ユウラシア、ユウキをクリアして今ルーシアの途中ですね。

 一応新ヒロインルートに関しては、前作のどこから、ってはっきりした区切りは感じないけど基本共通からの派生で、ってところで、やっぱりいつもながら冥界の事情はルート毎にファジー。でもなんとなく、この作品の場合は前作もそうだけど、おもっくそそういう理路ではなく情緒全振りです、って空気がダダ漏れてるからそこまで気にならないという不思議。これもある意味言葉のマジック。
 そんでもってのユウちゃんは相変わらず無邪気に残酷で可愛いのだけど(なんか矛盾してるかしらん)、いい意味で野生の動物を懐かせるような感じでの触れ合いと、その中で彼女自身がこの場所でやりたい事を見出していく流れは素直な構図かなー、と。

 母親の容喙があるだけにややもやっとさせつつも、そこを上手く二人の絆、そして姉妹の絆でカバーしてくれてて、基本的にこの作品はひたすらパトが素敵なんだけど、脇に回っても概ね見せ場があるからいいですよねぇ。
 ユウちゃん自身の愛らしさやラブい空気になっての恥じらい、イチャラブエロスの素敵さも含めて、期待通りに楽しめた内容ではありました。

 んでこれをクリアしたら本編ヒロインのエクストラがユウキと未知だけ解放されたので、とりあえずユウキやってみたけどこっちは短っ!?いくら本筋ではないおまけ扱いとはいえ、いくらなんでもってレベルで終わってしまったので、もしやパト以外の本編ヒロインはこんな扱い?とやや戦慄。。。

 まあその分新規ヒロインのルートはかなりしっかり作りこまれていて、ルーシアなんかもこれ書くまでに終わるかなー、と思っていたら全然終わらなかったので、その辺は含み置くべきところ。
 ともあれこちらはこちらで、かつてのルーシアとパトリシアの因縁と、その結果としてある今に改めて対峙しつつ、ルーシアが本来の輝きを取り戻していく助けにノラがなっていく、という構図のつくり方自体は上手いなって思います。

 それにこのルートは非常にパトの活躍が目立っているのも良くて、本当に率直な心情を率直な言葉で告げていく、その中で改めて関係性を見つめ直し、大切だからこそ言えなかった言葉を伝えていく様は綺麗でした。
 その上で全力で二人の関係を応援してくれてるというか、まあ半ば知的好奇心に突き動かされて楽しんでるのはあるだろうけど、こういう活き活きウキウキしてるパトと、そうやって囃し立てられて羞恥に縮こまるルーシア、って構図もなんかほのぼのしますよね。丁度いいかませ犬もいるし。。。
 まだ多少なりシリアス展開もありそうだけど、ヒロインとしてのルーシアがどうこうはともかく、物語としてどう着地してくるのかは楽しみです。
posted by クローバー at 19:07| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする