2018年06月06日

キリはないけど

 おにぎゅはハーレムをクリアしてコンプリートです。
 うんまぁ、とりあえず全体的に期待していた部分での魅力は充分に最後まで貫徹出来ていて、細部にまで拘りを感じるつくりも含めて満足度はそれなりに高いですかね。
 敢えて言えばやっぱり、大枠の設定部分でこういう家族形態と特殊な関係性を肯定的に貫くなら、それをそちら側からもフォローしてあげればいいのに、ってのはあったかな。ハーレムにしてもそれぞれに美味しい組み合わせなど楽しめつつ、メンタル的にはこの関係性が主人公としては一番気楽で幸せなんでしょ?というのをもっともっと象徴的に出せれば申し分なかった気はするんですけどね、まあそこまでいったらキリがないし贅沢だとは思うけど。
 いつもながらに妹視点のHシーン回想モード搭載も個人的趣味としては実に嬉しいところですし、大変ご馳走様でした、という感じですな。

 次はうーん、約束の夏にしてみましょうか。君君コンビはラストに残す。
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2018年06月05日

このシリーズの場合

 おにぎゅはすみ、こはく、そらまでクリアです。
 一応それぞれのルートでちょっとした葛藤やら立ち位置やら罪悪感やらスパイスは交えつつも、概ねは妹の可愛らしさとお互いの好き好き熱に煽られてイチャエロしまくってしまうー、みたいな展開ではあり、勿論これはこれで肩の力抜いて楽しめる感じはあるけれど、まあこんなもんかなってー見切り感もありつつ。
 ただ本当に今回は妹ズの見た目と性格付けのバランスが最高に良かったと思うし、それでもやっぱりこのシリーズだといつみ長女が一番好きになるんだよなぁ、ってところで、すみとこはくの甘え可愛さも素敵だったけど、等身大の友達感覚と妹的な甘え甘やかしのバランスがとても取れていて、かつ肉体的にも精神的にも成熟度は一番高いそらがベストではあったと言いたい。それでいてしっかり者過ぎない天衣無縫な感じもまたよし。

 んで、どうやらハーレムがあるようなので最後はそこに吶喊してきます。
 勿論一人一人のルートも好きだったけど、この四姉妹は本当に過去作に比べても仲の良さが目立っていた気はするし、みんなで仲良くお兄ちゃんをシェアして健康管理しましょ、的な展開はある意味一番しっくりくる気はするんだよなぁ。まあその大元の健康管理云々の適当さがどのルートでも地味に罪悪感のトリガーになったりするのがめんどかったりもしたけれど、むしろそこでハーレムという最大の幸せで世界にも貢献!くらいの開き直りは見せて欲しいと思うのでした。。。
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2018年06月04日

癒せるだけじゃ物足りない

 恋するココロと魔法のコトバの感想をアップしました。
 珍しくちょっと頑張ってコツコツ書き上げてみたけれど、結局その分新作進行が割を食うところはあるのでバランスが難しいなぁと。まあ内容的にはシンプルながらも隙と粗が少ない構成で、すごく安心して隅々まで可愛らしさと優しさを堪能できた、という点でお気に入りではありますし、コスパがいいとは口が裂けても言えないんだけど、癒しを求めている人、けど少しはシナリオ要素も欲しいよね、くらいの感性にジャストフィットする作品かなと思います。

 おにぎゅはあんまり進んでないんだけど、すみをちょこちょことプレイ中です。
 こういう作品で妹がみんなお兄ちゃん大好き―、な形だと、とせうしても下の子はこういう自分のアイデンティティや存在意義的な面で劣等感的なものを背負う事が多いし、それに絡んでのトラウマが今の引きこもり的な有り様とも関わってくる、という中での背伸び感など、細かく見ていくと地味にシリアスな要素はあるなー、って話かと。
 ただそれを、天使まっしぐらな愛らしさでしっかり中和して蕩かしてくるあたりは流石の出来ですし、こんな子に手を出すなんて鬼畜おにぃ〜、って感じになりそう(笑)。
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恋するココロと魔法のコトバ

 ここの前作も白もちさん原画と優しい世界観が織りなす無難なシナリオに癒されましたし、今回もそれをしっかり踏襲している雰囲気は充分に感じられたので迷わずに購入。


シナリオ(22/30)

 阻害要因がない事の大切さ。

★あらすじ

 主人公は実家に隣接する喫茶店の手伝いをしながら暮らす、ちょっと引っ込み思案なところはあるもののごくごく平凡な学生でした。
 しかしある日、担任の言伝でクラスメイトの風祢が所属する庭園部に顔を出した日から、彼の運命は大きく変転していく事になります。

 誰もいない部室に預かりものを置いていくべくお邪魔した主人公は、その部屋に流れる空気感に懐かしさを感じます。
 そして部屋の隅で何か光るものを見つけ、それに近寄ると、いきなり足元の魔法陣が発動し――――気付けば自分の上に、全裸の可愛らしい女の子が覆い被さっていました。
 彼女は目覚めたばかりのようにぽやんとしていて無邪気で、そして主人公に特別な親しみを最初から感じているようで、その様にどうしていいかわからず動揺していると、留守にしていた部屋の住人――庭園部の部員である風祢、好奏、ましろ――が戻ってきてひと悶着に。
 
 最初は主人公が女の子を襲っていると誤解されそうになったものの、状況となによりその子が持つ雰囲気からそれは否定され、そして彼女は、自分の名前がハルであること以外思い出せないという状況も拍車をかけます。
 そしてその流れで、主人公は春ハルが(話の流れで苗字も春になった)普通の人間にも見える大精霊という凄い存在である事、そして世界には精霊の力と魔法が溢れ、庭園部とは魔女見習のための隠れ蓑である事などを知らされて、主人公自身にも魔導士(魔女の男性称)となる素質がある事も発覚するのでした。

 更には、今までずっとお世話になっていた喫茶店住み込みのお姉さんであるアウシュリーも精霊であり、その伝手もあって春ハルは喫茶店の二階に住み込み、学園にも特例的に通うことを許されて、主人公は庭園部に所属し、彼女が現出した理由と、そして魔女本来の役割である自然との調和を目指して活動していく事になるのです。
 春に突然芽吹いた沢山の出会いと可能性、その蔓をひとつひとつ丁寧に手繰り寄せながら、主人公とヒロイン達は手を携えて様々な問題に向き合い、乗り越えて、愛と絆を育みつつ成長していく、これはそんなちょっと切なくも愛らしいハートウォーミングストーリーです。


★テキスト

 基本的に真面目で善良で誠実なキャラしか出てこないので、テキストにもその世界観が反映されて、決して刺々しかったり、おふざけが過ぎるようなところもなく、ある意味ではすごく真っ当で平凡な読み口にはなっています。
 ただ文章として特に無駄はなく、綺麗に優しい味付けで全体的に統一されていますし、変にギャップが少ないだけキャラへの感情移入もスムーズに出来ますし、裏表もほとんどないから、テキスト面からもほとんどストレスは受けない慎重なつくり、とは言えますね。

 無論それで破格の面白味があるか、と言われればそれはないのですが、純粋に絵の力、世界観の心地よさを邪魔しないだけでもスラスラ読み進めやすい土壌にはなっていますし、それをしっかり複数ライターでも細部まで徹底出来ている部分は高く評価していいのだろうと思います。


★ルート構成

 ゲーム性という意味では乏しく、選択肢は一か所きりで、そこで選んだヒロインとの恋物語になります。
 ある程度共通の流れの中で、最低限の個々のヒロインとのフラグは立っている、という状況こそ作っているものの、やはりゲームとして考えるなら、そのヒロイン単独にフォーカスされたエピソードの中で、よりその心情に寄り添えたかどうかの判定的な選択肢くらいは用意してもいいかなと思いますし、その点では物足りないですね。

 物語としてはいかにも春ハルの存在には裏がありそう、というイメージですが、実際プレイして見ると各ルート間での極端なネタバレ要因や関連性は薄く、それぞれが単独して内在要因だけで完結する物語に仕上がっていますので、素直に好きな子からプレイして問題ないと思います。


★シナリオ(大枠)

 全体としては、非常に整合性と擦り合わせがしっかりした、背伸びしていない丁寧な物語、という印象です。

 整合性の面では、まずそもそもの前提として、共通から続く大枠的な問題やなにやらの要素が薄く、あくまでも個別に入り、二人が心を通わせ合っていく事で、ヒロインの心情がより前向きになり、それが自身の抱える問題に直面する力になっていく、という、内在的な要素だけで成立する構成になっているため、ほぼほぼ他ルートではこうだったのに…………的な不満を感じずに物語に没入できる仕組みになっています。
 意外とこれは簡単そうで難しく、大抵のエロゲはこの点を蔑ろ、或いは曖昧に処置してしまって、読み手に違和感を与えてしまう事が多いので、そこをしっかり制御出来ていて、かつそれぞれの話がそれなりに緩急のあるシナリオゲーとして成立しているのは地味に希有です。

 全体尺としては決してボリューミーとは言い難く、それなりの個別の尺の中でそれなりのイチャラブとそれなりのシナリオを並列的に組み込んでいて、これもともするとどっちつかずの物足りなさを喚起しやすい部分です。
 でもこの作品の場合、シナリオの山谷の部分で無理に背伸びせず、ヒロインにとっての等身大の在り方にフォーカスしての構成になるので、そこまで尺を取らずとも説得的に展開できる利点を上手く活かしていますし、かつそこで多少なりほろ苦さくらいはあっても、読み手がマイナスの感情を抱くほどの重さには踏み込まないように配慮されているので、普段のイチャラブとの空気感がシームレスで、その分だけそちらの面でも最低限の満足は得られるのかな、というイメージですね。
 冒頭にも書いた通り、これは読み手が物語に没入するのに邪魔な要因を丁寧に排除するという配慮が行き届いているから成り立つところで、派手さはないですがこれは非常に高いレベルで整った作品と呼べるかなと思っています。

 無論粗を探せばそれなりには出てきます。
 特に魔法と魔女、グランウィッチの有り様や、その世界への貢献の価値など、より社会的な指標でかっちりさせておいた方が、それぞれの行動理念や信念にも重みが出る、という面はあるでしょう。
 けれどそれをするとどうしてもマイナス面の重さも付随してしまうため、敢えてそのあたりはファジーにして、あくまでも個々人の決断の中で、自分が望んだ形を貫けている、だから幸せだ、というイメージ戦略で糊塗しているのかな、と感じました。

 まあともすれば波乱要素の薄い、読み手が安心して結末を予測できる退屈な物語、と受け取られてしまう危惧もなくはないつくりですが、少なくともこのキャラの絵柄と世界観にはそういう優しさと可愛さ全振りの物語の方が綺麗にマッチする、とは思いますし、それを100%活かす為のシナリオ構成と考えた時の完成度の高さはやはり相当なものだと私は評価しますね。
 ただやっぱり、もう少し濃密なイチャラブはあっても良かったかなぁ…………という憾みはなくはないでしょうか。本当に無駄がなさすぎるというか、各要素きっちり必要最低限だけ配列されていて遊びが少ない感覚で、シーン構成なんかもどうしても画一的になりがちですので、そこは少し勿体なかったと思います。
 せめて折角可愛い水着立ち絵があるのだから、それを生かしたイチャラブとHなシーンはあっても良かったのになぁ、と。特に好奏の水着デザインが強烈に可愛かったので無念なり、とはなります(笑)。まあロロログの時もお手盛りなFD出しましたし、これもそこまで視野に入れての出し惜しみな気はしなくもないのが面憎いですし、そうだとわかっていても買ってしまうであろう自分に呆れるばかりではありますが。。。


★シナリオ(個別・ネタバレ)

 ここからは個別感想で、内容にも軽く踏み込んでいくので一応白抜きにします。

 個別評価としては、ましろ>好奏>春ハル>風祢くらいです。
 別にどのルートも極端に派手でも、絶賛するほどには素晴らしくもなく、けれど安定して面白く水準以上には仕上がっているので、特にルート間の温度差で毀誉褒貶が生まれるほどではないのですが、一応ダイナミズムとしては春ハルが一番強い設定にはなっていて、けれど逆にそれがこの作品の中では悪目立ちしている、かつ構成的に奇を衒った分微妙になっている面はあったのかな、と考えています。

 まず風祢ですが、これは彼女が固執しているグランウィッチのありようと、その試練に必要なものがなにか、という部分が概ねを締めています。
 グランウィッチになる為に必要なものが愛する人、という時点で、その試練の終着点はほぼほぼ予想がつく内容ではありますし、ただいずれ風祢がその舞台に立つ意思があるのは確かだとしても、現時点で本来はまだ遠い目標でしかなかったのが、主人公と密接にかかわり合い、惹かれ合う事で現実味を帯びてくる、という内因性の明確さは評価していいでしょう。

 ただしこのルートは結構二人の関係が深まっていく為の事件的な部分に外的要因?と思わせるものが多く、特に自然災害なんかを多用しているのはあまり賢いやり方ではないなと、他ルートの慎重さと比べてですがやや軽率を感じたところです。
 でもこのルートはその分、こっそりましろルートでしか成り立たない所をフォローしていたり、主人公の心情に関してもある程度春ハルルートの裏事情を汲んだアプローチをしていたりと、そのあたりの配慮は結構行き届いていて、ただ出来ればそのあたりは共通でやっといてほしかったな、というのはありますね。
 特に春ハルとの別れが無意識的なトラウマとして、どこか人付き合いに深さを避けてきたという主人公像は、本当に冒頭のモノローグで語られるくらいで、いざ物語に入っていくとそれを感じさせるたどたどしさや拒絶性はほぼほぼない、と言っていいつくりですので、無論それがストレスフリーの鉄則との兼ね合いで組み込みにくいのは確かでも、そこを上手く処置するのが技術というものでしょ、という話です。

 またこのルートは、魔女やグランウィッチという存在が社会にとってどれくらい貢献しているのか、それが必要不可欠なレベルなのか、という部分の視座を曖昧にしている事で、その決断の意味や重さが明確に伝わりにくいというデメリットも直截的に抱え込んでしまっているつくりだとは言えます。
 セシリアの選択が本人にとって幸せだったのか、というのは、あくまでも本人の口から語られる事でしかなく、その上でグランウィッチというものが一定数存在しないと自然との調和において歪がどうしても生まれてしまう、的な悲劇性が背後にないとは限らないわけで、そこを突き詰めない事がこの物語の幸せな空気感を壊さない処世術なのは間違いないですが、その弊害を一番ストレートに食らってしまう話だったのは間違いないです。

 どうしたって風祢やその母親の選択と、セシリアの選択は合わせ鏡の要素を持ち合わせてしまいますし、共感させる側の物語であくまでも今の幸せを手放さないのを是とするのに、もう一方も充分に幸せな選択だ、と言い切るならば、それに応じたエピソードや、グランウィッチならではの意義や価値、幸せを提示しないと、ってのはありますよね。
 まして本人の口から、さほどいいものでもない、なんて過去に述懐させているわけですし、そこのフォローがない分片手落ちのイメージで、シナリオ、という観点でも四人の中では一番落ちるかなという印象です。
 イチャラブに関しては、ツンデレ的な要素はありつつも基本的には反応が分かりやすくて愛らしく、甘えベタな部分が少しずつ溶けていくイメージ、愛し合い、睦み合う事に傾斜していく様は実に魅力的だったなと思います。

 春ハルに関しては、主人公の過去の欠落、という要素と、それにまつわる喪失感、絆を紡ぐことへの不安感、という特殊性が、共通部分で必要十分に語られていたとは言えないのがひとつネックにはなっていると思います。

 春ハルという存在が自分を維持するためには、絆を育んでそこから力を分け与えて貰わないとならない、という構成はいかにもファンタジックで、要素的にも神への信仰的な面を備えつつ、けれどそれが行き過ぎて、博愛のバランスを超越してしまうと崩壊するという悲劇性も内包しているのはなるほど、と思えますし、それを利用しての、恋を知ったが故の消失、という流れもさもありなん、実に王道的な人と人ならざる者の物語、というイメージです。
 ただそれを、春ハルの反応からほぼ一方的に予感させるつくりは少しバランスを欠いていて、主人公もまた春ハルに傾斜していく中での不安感の助長など、あくまでも春ハルと恋をしているからこそより濃密に想起される感情のうねりや吐露はあっていいと思いますし、風祢でも書きましたがそこの部分は共通でもうちょいフォローされるべきでした。

 まあ逆に、共通であまり人嫌いを拗らせると、かえって他のヒロインと結ばれるうえでの阻害要因になりがち、というマイナス面もあるので、そこのバランスに苦慮した上でオミットした経緯もありそうですが、ただそのあたりはある程度の工夫で何とでもなる、は思うんですけどね。
 でもその要素が基本的には影響しないましろと好奏ルートの方が個人的に好みだった(ヒロインの質の差もあるっちゃありますが)のを鑑みると、一概にあるべきだ、と裁いていい要素かは迷いが生じるところではあり、ただ少なくとも春ハルルート、それに付随した部分もある風祢ルートの説得性を高める上ではあったほうが良かっただろうと考えます。

 このルートで一番良かったところは、他のルート以上に庭園部仲間との横の繋がりが強く意識されていた事、そして春ハル復活に向けて一丸となって、という空気感の優しさが堪能出来た部分でしょうか。
 無論それに連なる花畑の魔法陣などの発案は、少しばかり恣意的な要素は強いとは言えますが、一応春ハル自身の意思から発芽した状況と言う事で感情的な納得は持ちやすいですし、やはりシンプルながらこういう、喪失からの再生、という王道的な構図に心震えるものがあるのは当然です。
 ただ、それを最大限に生かすために他ルートとは一線を画したEDの入り方をして、エピローグをつけたのは悪くない演出なのですが、そのエピローグの展開に情緒が足りず、かつラストもなにも余韻なくタイトル画面にパッと戻ってしまうのは勿体なかったですね。ここはある程度情感を引き立てるような一枚絵や状況描写を組み込んで、たっぷり余韻を噛み締める余地を与えてからにすべきだったでしょう。
 まあ総合的には楽しかったですが、共通では無邪気そのものの春ハルなので、もう少し恋愛情緒・性情緒を学ぶ上での段取りというか段階はあっても良かったかなと思いますし、それを知って素直に触れ合いを楽しむ様も含めて可愛かったとは思いますが、ヒロイン、というよりは庭園部のマスコット的な愛らしいイメージの方が強かったのは確かでしょうかね。

 好奏に関しては、非常に構成がコンパクトで、あまり魔女云々は物語に関わってこずに、あくまでも好奏自身が抱えているトラウマを、主人公との二人三脚で克服していく、その過程で恋の力と魔法の力の後押しがいいスパイスとして効いている、というイメージですね。
 話の流れとしても王道的で丁寧で悪くないですが、敢えて言うと悲観的な色合いが現実に対して強すぎる面はあるかな?という感じです。
 というか、好奏ちゃんはべらぼうに可愛くて素直で健気で最高にいい子なのでなんでも全肯定してあげたい気持ちはあるんですけれど(笑)、そんな私の目から見ても、え?たった一度親にガッカリした顔を向けられただけでそこまでのトラウマって豆腐メンタル過ぎね?とは思うわけですよ。。。

 こういう芸術肌のシナリオで、過去には神童めいた存在が周りの悪意に当てられてその道を閉ざしている、というパターンそのものは王道的ですが、この話の場合前提の悪意をストレスフリーの法則の流れで一緒くたにゴミ箱ポイしてしまっているため、結果的に客観的な視座においてのそのトラウマに対する共鳴性が少し薄い面はあったと思います。
 そもそも普通に親子仲は良好なんだし、母親にしても当時はどうだったか、は語られていないので断定は出来ませんが、音楽でだけは実子であろうと妥協できない、みたいな狷介な気質の持ち主には見えないので、そこまで問題が拗れているのがそもそも違和感になってしまう弱みはあると思います。
 勿論それはこの親子の、それぞれの度を過ぎた優しさや献身性の裏返しと解釈する事も可能ですし、ライターの意図としては間違いなくそっちなのでしょうが、となるとせめて拗れた原因をそのワンイシューに求めず、もう少し具体的な要素を絡めて過去のすれ違いを補強した方が説得力は出たんじゃないかな、という気はしました。

 その点で引っ掛かったのはあれ、本質的には自己肯定感の低い少女の成長記としてすごく綺麗にまとまっていると思いますし、セシリアが魔女の本質云々みたいな、掘り下げると厄介な要素抜きでシンプルに自分の在り方、生き方を誇りを持って披露してくれる部分も良かったと思います。
 アウシュリ―の在り方としても、共通からのピアノのくだりと絡んで想いが膨らむポイントは多かったと思いますし、そういう想いが糾合された後半の怒涛の演奏会ラッシュの温もり、すみやかさはとっても楽しめましたね。
 好奏のヒロイン力も素晴らしく、一挙手一投足が抜群に可愛くて、控えめではあるのだけど少しずつ愛が増すにつれてそれを隠し切れなくなっていく、そういう自分に戸惑い恥じらいながらも溺れていく様は最高に魅力的でした。

 最後にましろは、個人的に一番好きなシナリオではありましたね。
 こちらの場合祖母の死、という、この作品の中では数少ない具体的に重い要素からの展開になっていますし、その痛みがまだ生々しい中で、主人公との触れ合いがなければまだまだそれに直面する覚悟は持てない、という意味で、とても内在的なシナリオでもあるのでそこはすごく評価出来ます。
 かつ、このルートで明かされた魔女の奮闘、ましろの祖母の想いに関しても、一人では今すぐには無理でも、いずれ時が傷を癒してくれれば遅かれ早かれ同じ道を辿っていくのだろう、と思える構成になっているのも加点要素でした。

 その上で、傷と向き合いながらも祖母の足跡を辿り、その偉大さを知ってより憧れを強くする、その過程の中でしっかり恋模様も花開いていくというバランス感の良さ、ましろというヒロインの性質の綺麗さはすごく良かったと思いますし、その二人三脚の結果として招いてしまった苦悩とその克服、という終盤の流れにも一定以上の説得力がありました。
 流石にラストなんかはかなり魔法のファジーさに頼った部分はあるとはいえ、根底にある奉仕の精神と優しさが本当にシナリオの流れに綺麗に投影された素敵な内容でしたし、すごく面白かったと思います。

 ましろもこういう不思議系ヒロインなのでもうちょっと癖があるかな、と思いきや、かなり素直に頼って甘えてくれたり本当に魅力的で、この年下ツートップの破壊力半端ねぇな…………!とプレイ中萌え転がりながら震駭しておりました(笑)。
 まあこのルートに限らず、全体尺の制限がある中でのHシーンへの導入、特に初めての時の性急さはもう少し工夫があっても、と思わなくはないのですが、そこまで言うと贅沢な話にはなりますし、どの要素でも絶対的な最低ラインは堅守した上で、このメーカーの特色を出来る限り特化的に引き上げるシナリオになっていた、という意味では本当に良く出来ていたと感心しています。

 勿論図抜けてシナリオが面白い!という評価にはなりませんし、癖や粗はないけど絶対的な武器もない、という所で、後々までインパクトが尾を引くような作品ではありません。
 ただプレイ中の幸せな空気感と、可愛い女の子たちの魅力を思う存分堪能できるという点については非の打ち所がないレベルで素敵に仕上がっていますし、点数的にはそこも踏まえた上である程度重めにつけたつもりではあります。



キャラ(20/20)


★全体評価

 これは文句なしで、一人も悪人がいない善人パーフェクトワールドの中、それぞれの優しさと思い遣り、触れ合いの温もりが最大限に生きるようなストレスフリーの設定が徹底されていて、今の時代性にすごく密着した丁寧な仕上がりだと思います。
 ベーシックな可愛さも最高級ですし、その上できちんと色んな場面でのヒロインの多角的な魅力、最低限の成長要素も付与して、読後の満足感が強く出やすい網羅的なつくりになっていますので、特に割り引くところもなく大満足ですね。


★NO,1!イチオシ!

 これ実は究極の選択やん…………!とめっちゃ悩むところがあるのですが、プレイ中に圧倒的な伸びしろを見せたましろに軍配を上げておきましょう。
 基本的にこういうミステリアスタイプはもうちょっと付き合うまでに癖が強い場合が多いですが、この子はその点かなり素直で、心情も真っ直ぐ披歴してくれるし、抱えているものから垣間見える弱さやいじらしさなんかも破壊力抜群で素晴らしかったと思います。
 互いに好きを自覚してからの初々しさやこそばゆさも最高でしたし、その愛情の深さと強くあろうとする健気さに何度も胸を打ち抜かれて、こういう子の為に頑張りたい!と張り切る主人公の心情に一番ストレートに共感できなたぁとも。

 無論見た目的にも実に愛らしいロリっ子で、けどロリっ子過ぎないバランス(その点おにぎゅは好きなんだけど、全体的にロリ寄り過ぎるのはあるんだよねぇ)が絶妙だったなと思いますし、キャラデザインの抜群さ、特にデート服の可愛さに打ち抜かれて本当に隅から隅まで可愛さで出来ていて超堪能できました。
 好奏との差は本当にシナリオの出来の差程度で僅差ですけれど、二人とも殿堂まではいかないにしてもそれに程近いラインにはいる素晴らしいヒロインだったと思います。


★NO,2〜

 好奏も本当に凄く凄く可愛くて迷ったんですけどね。ただこちらはプレイ前から絶対に可愛い!と確信してその目で見ていましたし、プレイ中の意外性や伸びしろ、あとシナリオの出来の部分で僅かにましろの追い上げに屈した形で、ぶっちゃけ同着でもいいくらいには好きです。
 兎に角この子も尽くしたがりで頑張り屋で心優しく、けれどトラウマの影響もあって自己肯定感が低いから、自分からなんでもかんでも踏み込める強さは足りてなくて、そこをしっかり主人公がフォローする形でこの子なりに成長していく様なんかは素敵でした。
 当然こちらもキャラデザインが最強過ぎて見ているだけで幸せになれるレベルでしたし、表情も豊かで愛らしく最高でしたね。

 この二人に比べると流石に落ちるとはいえ、春ハルもマスコット的な素朴でストレートな好意のこそばゆさや輝かしさは流石でしたし、風祢のちょっと強気っぽく出ていても嬉しさを隠せないチョロイン的な感じとかとてもとても可愛かったと思います。
 脇を固める大人世代の優しさと抱擁感も、実にこの世界観らしい善良さに満ち溢れていて安心して浸っていられましたし、FD出すとしてアウシュリーさんとかセシリアとかのおまけルート作ってくれないかなぁ?と思うくらいには魅力がありましたね。


CG(19/20)


★全体評価

 質量ともに高いレベルで安定していて、一人原画でここまできちんとしているのは、発売スパンを踏まえても大したものだと思います。
 そのふわっとしたパステル的な塗りの味わいや、とにかく可愛い全振りのキャラデザの良さ、全体的なデザインセンスの素晴らしさなど満足度が高い、私のツボを突くつくりではあり、満点でもいいかな、とすら思うのですが、流石にそこまで推すにはもうワンプッシュ足りない感じはあり、質も高いレベルで言えばややばらつきはあるのでここまでにしておきました。


★立ち絵

 ポーズはヒロインで3種類、サブは1種類とそこまで多くはないですが、特にヒロインはそれぞれの気質を綺麗に反映したものが多く、奇抜ではないものの個性はしっかり溢れていてそのバランス感覚を評価したいですね。
 基本的にましろと好奏はどれも抜群に可愛いですし、あと春ハルの正面手伸ばしの躍動感が好きですね。

 服飾はヒロインで4種類、サブは1種類とこちらもそこまで多くはないですが、デザインが本当に洗練されていて最新の流行まで踏まえつつ、あくまでも二次元キャラの大袈裟に見せる部分とのマッチングの部分で素晴らしいバランス感覚を発揮しているのかな、と。
 この人の立ち絵って基本的に実際には有り得ないレベルで腰の位置が高くって、その分スカートの丈そのものはあってもプリーツのひらひらから覗く太ももの瑞々しさとかが同時に楽しめるわけで、そういうあざとさを引き立てる飾りつけや、メインの衣装の選択がすごく上手いと思います。
 超お気に入りはましろと好奏のデート服、あと好奏の水着も最高でしたね。結局今回、水着の出番が共通しかなかったのは勿体ない要素で、FDで存分に楽しませてくれるのを多いに期待なのです。

 表情差分も多彩、というにはちょっと、かもですが、どれも凄く愛らしく遊びの要素もそれなりにあって、土台の素材が抜群なだけに本当にどんな表情も映えるなぁと。
 個人的にましろのジト目と照れ笑い、好奏のはにかみは破壊力あり過ぎて最高でした。


★1枚絵

 通常83枚にSD13枚で計96枚ですね。
 値段を考えるともう少しあってくれた方が嬉しいは嬉しいけれど、単独原画と思えば充分ですし、配置もバランスが取れていて丁度いい味付けだったかなと思います。
 出来も若干ばらつきはあるものの、基本的には素晴らしく可愛いですし、クリティカルにヒットするものもいっぱいあったので大満足です。

 特にお気に入りはみんなで水遊び(特に好奏)、春ハルの再生、好奏フルート、魔女の演奏会、ピロートーク、ましろ月の精霊と指遊び、バステトを救うために、あたりですね。


BGM(18/20)


★全体評価

 質量ともに安定していますし、作風に合わせて本当に柔らかく優しい曲が多く、それでありつつここの特色的な少し近未来的な雰囲気も残しているバランス感が丁度良かったと思います。


★ボーカル曲

 全部で2曲。
 OPの『桜色リフレイン』はすごく透明感と僅かな位相というか異世界感が綺麗に混在しつつ、キラキラしたイメージの流れの中でメロディラインも凡庸になり過ぎず、といって極端に矩を外す事もなく非常に丁寧で完成度の高い曲だなと思います。
 出だしの伸びやかなボーカルの引き込みがかなりいい味を出していますし、Bメロからサビのメロディも綺麗で、そこそこお気に入りの曲ですね。

 EDの『Tender winD』もとても綺麗で澄みやかで、安らぎと幸せをかみしめるような旋律の美しさがとてもいい味を出していますね。
 決して派手さはないですが、この作品のEDとしてはすごく噛み合っているなと思わせますし、個人的にピアノの伴奏の綺麗さがすごく気に入っています。


★BGM

 全部で34曲と量的には充分に水準をクリア、質的にも高いレベルでまとまっていると思います。柔らかい音や曲調が多くて実に私好みでしたね。

 特にお気に入りは『ふたたび始まる朝』『心に刺さる棘』『永遠の旋律』『魔女たちの優しさ』あたりですかね。


システム(8/10)


★演出

 特に可もなく不可もなく、最低限は組み込まれていますし、要所での情感の高め方は先ず先ずですが、目立ってこれがすごい、という要素があったわけでもないので評価としては平均ラインかなと。
 ムービーもしとやかな色合いとふんわりした空気感が良く出ていて好みですが、抜群とまでは。


★システム

 こちらもほぼいつも通りで、使いにくいと言う事もなく、お気に入りボイスが実装されているのは良かったですね。ましろや好奏の素敵な反応をいつでも楽しめるのはいいものです。。。
 ただこれ、システムボイスの替え方が最後まで分からなかったのですが…………。コンフィグ画面ですといつもアウシュリーさんしか喋ってくれなくてそこはちょっとアレ?って。


総合(87/100)

 総プレイ時間16時間くらい。共通4時間に個別が3時間ずつとごくごくスタンダードな構成ですね。
 全体尺として少し物足りなさはあるものの、個別のバランスとしては平均的なつくりの中で欲しい要素を破綻なく丁寧に詰め込めていますし、隅から隅まで優しさが凝縮されていて、荒んだ心の特効薬としては最適の効果を上げる作品です。
 勿論絵の可愛さ目的で勝っても損はしない物量と質ですし、総じてバランスが良く完成度の高い作品だなと思いますね。シナリオにもっと意外性やメリハリを求める人にはやや退屈になるかもしれませんが、違和感や疎外感をほとんど感じさせずに一応シナリオゲーと呼んでも問題ないレベルでまとめてきたのは大したもので、その上でキャラの可愛さも満点ですから個人的にはかなりお勧めできる1本です。

posted by クローバー at 04:28| Comment(0) | 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月03日

月までって。。。

 昨日の予告通りゲーム進行はお休みです。

 閃の軌跡Wの情報もだんだん出揃ってきたのですが、今回は遂に特務支援課メンバー勢ぞろいになりそうで、碧零が大好きだった私としては非常に胸アツなのです。というかキーア可愛いよキーア。
 そしてVてせも大活躍だったティオとランディの情報も更新されたんですが、しかしティオの「月までぶっ飛ばしてやります!」って威勢良過ぎ(笑)。一体これがどういうシーンで、どういう絡みでの発言なのか今からめっちゃ気になって仕方ないし、支援課パーティでのバトルも楽しみで仕方ありませんな。
posted by クローバー at 17:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする